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「熱いチームでプレーできることを幸せに思う」。びわこ大MF曽根田穣が甲府内定会見

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ヴァンフォーレ甲府入団が内定しているびわこ成蹊スポーツ大MF曽根田穣(左)と甲府の森淳強化部スカウト担当

 来季からのヴァンフォーレ甲府入団が内定しているびわこ成蹊スポーツ大(滋賀)MF曽根田穣(4年=愛媛ユース)の記者発表会見が11日、同校で行われた。曽根田は「J1で戦うヴァンフォーレ甲府という熱いチームでプレーできることを幸せに思っています。1日でも早くピッチに立ち、勝利に貢献できるよう頑張るので、応援よろしくお願いします」とサポーターにメッセージを送った。

 会見には学長で前・滋賀県知事でもある嘉田由紀子氏、サッカー部の望月聡監督、甲府の強化部スカウト担当を務める森淳氏が出席。まず初めに森氏が獲得に至った経緯を説明した。きっかけは5月に行われた関西学生選手権の準々決勝・関西学院大戦。他チームの選手を視察するため会場を訪れた森氏だったが、目に留まったのはびわこ成蹊スポーツ大の試合だったという。この試合で2点を奪った曽根田の「果敢にボールを獲りに行く姿、グイグイとゴール前まで行く姿を気に入った」森氏はすぐさま曽根田の詳細を調べ、サイドであればどこでもプレーできるユーティリティー性も獲得の後押しになった。

 8月の総理大臣杯でも2試合をチェックし、「これならJリーグでもやっていける」と確信したため、望月監督に練習参加の希望を連絡。練習参加した際は緊張から思うようにプレーできずに終わったが、「確かな技術があるし、身体的にも凄く強い」とコーチングスタッフから評価された。また、曽根田の「練習参加した際に声をかけてくださったサポーターがたくさんいました。チームメイトにも優しくしてもらい、とてもやりやすい環境を作ってもらいました。そういう暖かい雰囲気やサポーターに愛されていることを体感し、どうしてもこのクラブでプレーしたいと感じた」という想いも決め手となり、正式オファーに至ったという。

 続いてマイクを持った望月監督は、「持ち味はスピードのあるドリブル突破。スピードある選手は華麗に突破する選手が多いが、彼は相手を一人二人くらい引きずってでも強引に突破できる。予想しない突破力や強引さを持っていてワクワクする選手だと思います。プロの世界に入ればたくさん凄い選手がいるが、自分のストロングポイントに自信を持ち、世界で通用する選手、地域の皆さんから『アイツのために応援に行きたい』と思ってもらえる選手になって欲しい」と特徴の紹介を交えて、教え子にエールを送った。

 最後に登壇した曽根田は「試合に出られない時期もあったが、望月監督から何が足りないか自分で考えるように指導してもらったおかげで、自分に足りない物を客観的に見られるようになりました。プレー面でも守備を意識していた高校時代に比べて元々、好きだった攻撃的なプレーをより意識することができ、ドリブルやゴールに向かうプレーはレベルアップできたと思う」と大学4年間での成長を口にした。

 目標として挙げるのは、横浜FMに所属する日本代表のMF齋藤学。齋藤は曽根田が中学と高校時代に所属した愛媛FCにレンタル移籍で所属した経歴を持つ。当時の曽根田は右SBの選手だったが、今の主戦場は齋藤と同じ左SH。「ゴールに向かって個人で打開できるプレーヤーでは今、齋藤学選手がJリーグで一番凄いと思う。僕も局面を個人で打開できる攻撃的な選手になりたい」とコメント。プロ一年目の目標は「たくさん獲りたいけど、謙虚に5ゴールくらい獲れれば」と控え目だったが、森氏が「一年目からチャンスは必ずある」と話すように、クラブからの期待は十分。サイドからの強引な突破で観客を沸かせる日もそう遠くないはずだ。

(取材・文 森田将義)

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