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[MOM1943]海星FW三輪翔真(2年)_決勝ハット!予選5試合で17得点を叩き出した注目の2年生エース

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.12 全国高校選手権三重県決勝 津工高 2-4 海星高 三重交通Gスポーツの杜鈴鹿]

 海星高の2年生エース、FW三輪翔真は今回の選手権予選の得点数について尋ねられると、少し間を置いてから回答した。「17得点です」。5試合で圧巻の17ゴール。初戦を15-0で制しているほか、予選全試合で4得点以上を挙げている海星の中でもその決定力は群を抜く。三輪は決勝でもその力を遺憾なく発揮して3得点。チームを初優勝へ導いたストライカーは「自分が点取って全国でも勝ちたい」と言い切った。

 試合前、青柳隆監督 は「ハットトリックしろ」と2年生エースに檄を飛ばしたというが、その指揮官ですら「点を取ると思っていたけれど、ハットトリックは出来過ぎかなと思います。(3得点をノルマとしたが)マジかよ、有言実行かよと」舌を巻くほどの3発だった。まずは前半30分、インターセプトからPAまでボールを運んだMF上陰統己主将のラストパスを難なくゴール左隅へ流し込んで先制点。さらに35分には自陣でのスローインで上陰とアイコンタクトを取ると、上陰の縦パスでタイミング良く相手DFラインの背後へ抜け出して再びGKとの1対1からゴールを破る。

 そして後半10分には豪快な右足ミドルをゴールへ叩き込んでハットトリック達成。「ボクが取らないと勝てないかなというのがあった」と自分が決めなければ勝つことは難しいという自覚があったというが、それでも「決定力の部分とボールを前向きにもらった時のアイディアは見て欲しい」という三輪は全国初出場を懸けた決勝という舞台で周囲の期待を上回るようなパフォーマンスを見せた。

 1年前にインパクトを残した試合があった。昨年度の選手権予選決勝。チームは前半に4点を奪われて四日市中央工高に2-4で敗れたものの、後半から交代出場した1年生FWが名門から2得点を奪って存在感を示した。1年生にとっては十分に自信となりそうな2得点。だが、三輪は「負けたのが悔しいので、2点というのは全然考えずに。あまり自信とかついていなくて……」。何より大きかったのは自信ではなく、負けた悔しさ。それでも悔しさは1年後にリベンジするためのエネルギーとなった。
 
 青柳監督もシュートセンスの高さを認める三輪はパワーで圧倒するタイプではないものの、テクニックと抜け出しの速さなどを武器に全国でも爆発する可能性がある。本人は「全国とか行ったことがない。高校からプロ目指しているんで、ここで目立っていきたいと思っているので、絶対に負けたくないです」。プロという目標を達成するために、今回の選手権が大事な大会となることは分かっている。だからこそ、「全国大会で目立ってプロ」という意欲を持って今回の選手権に臨む。

 日本代表FW浅野拓磨と同じ三重県三重郡菰野町出身で「家も近い」という。だが、浅野がプレーした名門・四日市中央工ではなく、海星で初の全国出場を目指し、この日自らのゴールで歴史を変えた。浅野は高校2年時の全国高校選手権で全6試合で計7得点を決めて得点王を獲得。そしてJリーグ、日本代表、海外へと駆け上がっていった。同じ2年生ストライカーとして全国へ挑む三輪も1試合1試合得点を重ねて同郷の先輩に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
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