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2010年V戦士増川「悲しい気持ちになった」、阿部「残念」…古巣名古屋のJ2降格を憂う

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名古屋時代のDF増川隆洋(左)とDF阿部翔平

 ジェフユナイテッド千葉の今季ホーム最終戦セレモニーが終わった後のミックスゾーン。後半アディショナルタイムに劇的弾を蹴り込んだ北海道コンサドーレ札幌のFW内村圭宏や同点弾を決めたFW都倉賢を取り囲む報道陣とは少し離れたところで話し込む191cmの長髪の大男と、身長は20cm下回るものの太ももの太さでは勝るとも劣らない男に懐かしさを感じた。

 DF増川隆洋とDF阿部翔平。彼らは6年前、胸に「TOYOTA」の文字が刻まれた赤いユニフォームを身にまとい、J1を優勝したチームの中心として活躍した。「名古屋時代から仲がよかったんでね」(増川)。名古屋グランパス。今季、J1で16位に終わり、クラブ史上初のJ2降格を経験するチームだ。

 現在、ともにJ2に籍を置く2人だが、常に古巣の動向は気になっていたという。増川は「(J2降格は)あまり見たくないシーンだったというのが正直なところ。悲しい気持ちにはなりました。僕の知っている選手は減ってしまったけど、寂しい思いはありますね」と神妙な表情で話した。

 戦友だったから分かることもある。2010年の名古屋で増川はDF田中マルクス闘莉王と屈強なCBコンビを形成。2人で同年のベストイレブンにも選ばれた。闘莉王は昨年末に名古屋を退団していたが、9月に復帰して瀕死状態にあった名古屋を立て直し、最終節までJ1残留の可能性を残すことに貢献した。

「名古屋のために帰ってきていたし、尽くしていたと思う。結果としては最後出せなかったけど、あいつの気持ちはみんな感じていると思う。彼はやるべくことをやってくれた」と戦友の労をねぎらった増川。一部では札幌が闘莉王にオファーを出すのではと報じられたが、「みたいですね。僕は分からないですけど、来たら来たで考えましょう」と歓迎した。

 阿部も名古屋のJ2降格を憂いだ。シーズン中は名古屋に同期入団したDF竹内彬らと連絡を取り合っていたという。「監督が代わって、よくなってきたという話をしていたので、何とかなるんじゃないかなと思ったんですけどね」と話すと、「名古屋も甲府もそうですけど、自分がいたクラブはやっぱり気になります。やっぱりチームとしての一体感があるチームが強いと思うので、少しそういうところがバラバラになってしまったのかなと思います。残念です」と声を落とした。

(取材・文 児玉幸洋)
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