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[選手権予選]「スピーディーな、破壊力のある攻撃を」全国でも、立正大淞南が4発V:島根

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2年ぶりに全国大会出場を決めた立正大淞南高が仲間たちとともに勝ちロコ

[11.13 全国高校選手権島根県予選決勝 立正大淞南高4-1石見智翠館高 島根県立サッカー場]

 11月13日、第95回高校サッカー選手権大会島根県予選決勝が、同県益田市の島根県立サッカー場で行われ、立正大淞南高石見智翠館高に4-1で勝利。2年ぶり15回目の全国大会出場を決めた。

 常連校が2年ぶりに選手権の出場権を取り戻した。昨年度は予選決勝で大社高に敗れて苦杯をなめた立正大淞南が、その大社を準決勝で1-0と下して勝ち上がった決勝で石見智翠館の挑戦を退け、県内最多を更新する15回目の出場を決めた。

 前線でボールを収めて周囲を生かすFW梅木翼のポストワーク、その梅木と2トップを組む泉勇也のスペースへの飛び出し、MF大島拓登井上健太の迫力十分のドリブル突破など、多彩な攻撃で序盤からチャンスを作った立正大淞南は、25分にエリア内での細かいパス交換から、最後は泉が蹴り込んで均衡を破る。石見智翠館はMF橋岡心珠、FW坂田伊織の突破力を生かして何度か良い形を作ったが、得点には至らない。

 逆に立正大淞南は前半アディショナルタイム突入後の41分、大島のFKを、ファーサイドでDF西谷泰賀がヘッドで合わせて2点目を奪う。石見智翠館の試合再開のキックオフが行われずに前半終了の笛が鳴る、まさにラストプレーでのゴール。石見智翠館の糸賀久恭監督が試合後に「2点目がすべて。1点は仕方ない、2点目が勝負だぞ、と言っていたが…」と振り返った通り、良い時間帯の貴重な追加点でリードを広げた立正大淞南が、そのまま後半も優位に進めるかと思われた。
 
 しかし石見智翠館は、後半10分にゴール前の直接FKをMF児島佑作が直接決め、1点差に追いすがる。旧校名の江の川高時代、07年度に予選決勝で立正大淞南を下して選手権に初出場した歴史の再現を狙い、徐々に反撃ムードを高めていった。
 
 しかし立正大淞南は慌てなかった。失点8分後の後半18分、複数の選手の走り出しと巧みなスローインで右サイドを破り、井上のセンタリングを泉が決め、再び2点差に。相手の勢いを止めると、試合終了間際の後半39分には交代出場の岩山世和がダメ押しの4点目を決め、勝利を決定づけた。
 
 良い終わり方だった前半から、後半に一気に突き放せなかった戦いぶりについて、立正大淞南の南健司監督は「攻撃は、もう少しできるはず」と語ったものの、「守備の集散はすごく良かった」と評価した。スペースを突いて前線のスピードを生かそうとする石見智翠館に対し、スライディングタックルも交えて厳しく間合いを詰め、簡単にロングパスを蹴らせないなど、攻撃から守備への切り替えと、力強いボールへのアプローチが、勝利を引き寄せる要因の一つとなった。
 
 主将の澤田拓実は「うまくいかなくなることは分かっていたので、1点差にされたときも、それが当たり前だと全員が思っていた。どんな状況でも、3年間やり続けてきたサッカーを続ければ勝てると思っていたので、平常心で淞南サッカーをやり続けました」と語り、自分たちが築き上げてきたスタイルへの強い自信をのぞかせた。南監督も「スピーディーな、破壊力のある攻撃を見せたい」と語り、2年ぶりの選手権でも、多彩な攻撃で攻め続ける淞南スタイルを貫く決意だ。

(取材・文 石倉利英)
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