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[MOM1951]東福岡MF高江麗央(3年)_試合支配したG大阪内定MF、直接FKも決めて「借り返したい」舞台へ

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東福岡高MF高江麗央は突破力も発揮

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.13 全国高校選手権福岡県予選 東福岡高 6-0 九州国際大付高 博多の森陸上競技場]

 1年前、喜びと悔しさ、先輩たちの言葉で涙したMFは今年、東福岡高にとって欠かせない存在となって選手権全国大会に戻ってくる。MF高江麗央(3年)は今年9月に来季からのG大阪加入内定が発表された注目MF。この日、4-1-4-1システムのシャドーの位置で先発した高江は、試合を支配するような動きで勝利の立て役者となった。

 攻撃の組み立て役としてボールに多くかかわり、チームを落ち着かせ、長短のパスを展開。2人、3人が連動した崩しのパスの出し手となり、サイドチェンジで何度も局面を変え、そして切れ味鋭いドリブルで相手の守りを切り裂いた。「相手が引いてくるので中盤で持てるのも分かっていたので、どう仕掛けていくか考えながらやっていました」。精度を欠いたミスもあったが、それでも左サイドの崩しで前半29分の2点目に絡み、後半27分には左中間からの右足FKを直接決めて会場を沸かせた。得点シーンではすでに足を攣らせていたことでMF藤川虎太朗(3年)から「蹴ろうか?」と聞かれていたというが、譲らずに決めた一撃。「ずっと練習していたので。ちょうどあそこを。壁超えれば入るのは分かっていた」というFKを決めたMFは「(FKに関しては)何も言うことないです。……でも(上で決めるためには)スピードはまだ足りないかなと思います」とよりこだわっていくことを口にしていた。

 ゲームメーカーであり、突破口としての才能も見せ、そしてフィニッシャーとしての力も備えるが、それ以上に本人が意識しているのは運動量の面だ。「運動量を増やして、攻守に渡ってというところを一番見て欲しい。攻守に走って。走れる選手がサポーターからも愛されると思うし、チームメートからも信頼されると思うので」。G大阪のサポーターには稀な攻撃センス以上に、攻守において走るところを見てもらいたいのだという。この日も攻撃力を発揮した一方で献身的に走り抜いた。全国でもその部分を発揮し、攻守においてチームの勝利に貢献する。

 選手権の全国大会は高江にとってリベンジの舞台だ。昨年は1回戦から準々決勝まで先発を務めていたが、藤川が怪我から先発復帰すると、その後の2試合の役割は交代出場となった。本人は先発を失ったことについて「去年一番悔しかった」と振り返る。チームが17年ぶりとなる優勝を決めるピッチに立ち、自身も嬉し涙を流したが、その後出場機会に恵まれなかった先輩たちの言葉を聞いてまた涙を流したのだという。「(優勝して)嬉しい先輩もいたし、悔しい先輩もいました。その(悔しい思いをした)先輩たちからもアドバイスもらった。『オマエが来年中心になっていくから、俺らみたいな悔しい思いしないように』と言われて、また泣きました」。同じく優勝した昨年の全国総体で高江は登録メンバー外だった。メンバーに入れない選手の思いも、ポジションを失った選手の悔しい思いも知っている。高江にとって「借りを返したい」という選手権全国大会。そこでチームを勝たせる存在となって、日本一を勝ち取って、今回は主役として大会を終える。

(取材・文 吉田太郎)
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