beacon

[選手権予選]ライバル対決は堅守・広島皆実が快勝!4連覇達成し、7季連続となる全国へ:広島

このエントリーをはてなブックマークに追加

[11.20 全国高校選手権広島県予選決勝 広島皆実高2-1瀬戸内高 広島広域公園第一球技場]

 11月20日、第95回高校サッカー選手権大会広島県予選決勝が広島広域公園第一球技場で行われ、広島皆実高瀬戸内高に2-1で勝利。4年連続13回目の全国大会出場を決めた。

 両校が予選決勝で対戦するのは2013年度以来。当時の瀬戸内は全国高校総体に4年連続出場中で、同年の総体予選決勝では広島皆実に4-0で圧勝するなど、初出場を目指す選手権でも本命視されていた。しかし、前半に先制された広島皆実が後半に追い付き、延長後のPK戦を制して3年ぶりの出場権を勝ち取ると、そこから広島皆実の時代が始まる。14年度、15年度は総体予選と選手権予選を制し、全国大会の出場権を独占してきた。

 全国総体が地元開催だった今年度は、広島皆実と瀬戸内が出場権を獲得。予選決勝は広島皆実が2-1で勝って第1代表となり、地元優勝も視野に本大会に臨んだが、初戦の2回戦で履正社高(大阪)にPK戦で屈した。一方、瀬戸内は3勝を挙げてベスト8に進出。全国での実績において広島皆実はライバルに後れを取った形となった。

 プリンスリーグ中国に参戦している両者は、総体予選前の4月の対戦では瀬戸内が2-0で勝ち、全国総体後の9月の対戦は4-4の引き分け。今年度の公式戦での対戦成績は1勝1分1敗で、今回の決勝も五分の争いになるとみられていたが、試合が始まると、広島皆実が瀬戸内を圧倒する展開となる。個々の的確なポジショニング、素早いボールへのアプローチから始まる守備で瀬戸内に自由を与えず、ボール奪取後はロングパスやドリブル突破、局面でのパスワークなどで次々にチャンスを作り出した。

 しかし広島皆実は、押し込みながらも先制できない。11分にFW安原修平(3年)のセンタリングを、MF藤井敦仁(3年)が右足で合わせた最初の決定機はクロスバーの上へ。12分には安原がGKと1対1になったが、シュートは瀬戸内GK佐々木衆(3年)の右足セーブに阻まれた。15分にはMF疋田優人(3年)、20分には片岡永典(3年)がチャンスを迎えたが、いずれも尾崎の好セーブに遭う。

 広島皆実にとっては嫌な展開になりかけていたが、勢いを止めずに27分にスコアを動かす。安原の突破が相手のファウルを誘い、PAのすぐ外、正面でFKのチャンスを得ると、MF藤原悠汰(2年)が右足を一閃。鋭い弾道のシュートが鮮やかにネットを揺らし、ついに均衡を破った。

 立ち上がりからの劣勢をはね返せないまま先制された瀬戸内は、注目の鹿島内定FW安部裕葵(3年)まで良い形でボールがつながらず、苦しい戦いが続いたが、32分にワンチャンスを生かして追い付く。スローインからMF川岡謙太(3年)-FW浅野崇人(3年)とつないで右サイドから攻め込むと、パスを受けたMF三沢徹晃(3年)のセンタリングが、クリアしようとした相手のオウンゴールを誘発した。

 1-1で迎えた後半も、立ち上がりから前半同様に広島皆実が優勢に試合を進める。相手ボールになっても素早く奪い返し、連続攻撃で再三ゴールに迫ったが、チャンスで決め切れない展開も前半同様。後半4分、ゴール前に詰めたDF河野秀汰(3年)の右足シュートは尾崎のセーブに阻まれ、5分には藤原のFKがクロスバーに当たり、直後のCKから藤井が放った右足シュートは、今度は左ポストに当たって決まらなかった。

 我慢強く耐えた瀬戸内も19分、三沢がゴールに迫るチャンスを作ったが、広島皆実GK對川敦紀(3年)がブロック。一進一退の攻防が続く中、追加点を奪ったのは広島皆実だった。片岡が左サイドを突破して送ったセンタリングが相手のハンドの反則を誘い、PKを獲得。これを藤井が落ち着いて決め、勝ち越しに成功した。

 初出場への執念を見せる瀬戸内も、選手交代などで流れを変えようと試みたが、広島皆実の守備の強度は落ちず、相手ボールホルダーを的確に追い込んで良い形を作らせない。それでも瀬戸内は何度かゴール前までボールを運んだが、36分のMF中間俊亘(3年)の右足シュートが惜しくも左に外れるなど追い付くことができず。そのまま2-1で勝った広島皆実が4年連続出場を果たし、総体も含めた全国大会への連続出場を7に伸ばした。

 広島皆実は、仲元洋平監督が「できれば失点せずに進めたかったが、全体的には狙い通り。選手たちが自分たちのやろうとしているサッカーを貫いてくれた結果」と振り返った通り、充実の内容でライバル対決を制した。「決定的なチャンスのところで、しっかりボールを蹴ることができていない」(仲元監督)と評したフィニッシュには課題を残したものの、常に相手の機先を制し、瀬戸内を封じ込めた守備の堅さが際立った。

 主将のDF有働周平(3年)は「インターハイの主役を瀬戸内に取られてしまい、自分もチームも悔しい思いをした。冬の主役になるために、まずは今日勝って全国に行こうという思いが強かった」と振り返る。選手権は過去2年連続で初戦敗退。冬の大舞台を、夏からの逆襲の集大成の場とすべく、まずは第一関門を突破した。

(取材・文 石倉利英)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2016
★日テレジータスで「高校選手権組合せ抽選会」生中継!「全地区予選決勝」も放送!出場校を総チェック!

TOP