beacon

[MOM1957]市立船橋DF原輝綺(3年)_流経大柏の攻勢ねじ伏せたU-19代表DF

このエントリーをはてなブックマークに追加

市立船橋高のU-19日本代表DF原輝綺が流経大柏の反撃を封じ込んだ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.20 全国高校選手権千葉県予選決勝 流通経済大柏高 1-2 市立船橋高 フクアリ]

 試合終盤、流通経済大柏高はクロス、ロングボールに加えてロングスローの数も増やしてPAでのパワー勝負に挑んできていた。同点目指して非常に勢いある攻撃を見せていたが、その前で高い壁となっていたのが市立船橋高の背番号7、U-19日本代表でもあるCB原輝綺(3年)。新潟加入が内定しているDFはチームメートたちも認める運動能力と視野の広さ、守備センスの高さを遺憾なく発揮して危険の芽を摘み、自身よりも長身の選手の頭上からのヘディングによって完璧にボールを弾き返すパワーも示していた。

 繰り返し跳躍してもその守りの精度は全くブレない。相手のターゲットをマークする役割ではあったが、多少離れた位置へのボールも競りに行ってクリアしていた。前半に失点し「2回目(の失点)は無いと思っていました。前の人が(2点目を奪って)責任果たしているので自分もと」責任感を持ってプレー。「自分はあんまり目立たない選手なので、ピンチの芽を積むのは自分の仕事と思っています。みんなで連係しながら跳ね返していたのは良かったと思います」と語った原は流経大柏の終盤の攻勢も表情を変えずにシャットアウトしてチームを千葉連覇へと導いた。

 自身を“目立たない選手”と評する原だが、この日は攻撃面でも輝く。前半21分に左CKから豪快な先制ヘッド。「一週間、練習の終わりに30分くらい、こういうサインが出たらここに蹴るというのを緻密にやってきたので、それがモロに出たと思います」と練習の成果が出て決まったゴールを喜ぶ。その攻撃面ではキープ力高い原が積極的に持ち上がることで最終ラインを高い位置まで押し上げることにも成功。攻守においてその力を遺憾なく発揮していた。

 その原も大会序盤のパフォーマンスは低調だったという。万能型の原はU-19日本代表のボランチの一人としてAFC U-19選手権に出場し、チームの初優勝とU-20W杯出場権獲得に貢献。「まだまだ課題だらけですけど、奪うことは少しは通用すると思っています」と自身もアジアで戦える手応えも少し感じて帰ってきたが、バーレーンから帰国直後に始まった選手権予選ではチームとフィットできなかった。「監督にも言われましたけれど、最初の一週間はめちゃくちゃ酷かったと思います。チームを引っ張らないといけない立場ですけど、上手く行かないことが多い分、自分のことしか考えられない時間があった。何をすればいいのか疑問を抱きながらやっていたので人任せになっていたり、消極的になっていたと思います」。それでも試合の中でボールが出てこなくてもCBの位置からSBを追い越して駆け上がっていったり、迷わず、積極的にプレーすることで修正。チームとのズレを埋めて、決勝ではチームの中心人物としてプレーを全うした。

 来季加入する新潟のサポーターも注目するであろう選手権。「自分がやることは変わらないので、ここを出したいとか試合状況によって自分は変わると思うんですけど、DFなのでゴールを割らせないように身体張り続けるところは見てもらいたい」。夏冬全国連覇よりもまずは目の前の一戦。大会を代表する存在と言えるDFは「全国出たら次は挑戦者なので、そこは変わらずいつも通り準備していきたい」と静かに意気込みを口にした。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2016
★日テレジータスで「高校選手権組合せ抽選会」生中継!「全地区予選決勝」も放送!出場校を総チェック!

TOP