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[選手権]予選無失点の堅守で昨季超え誓う駒澤大高、悲願の全国に挑む高松商と対戦

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高松商高(香川)のMF安西真輝主将(左)と駒澤大高のDF高橋勇夢(右)

 昨年度の高校選手権では、史上最高成績となる8強入りを果たした駒澤大高(東京A)。「ベスト8で歴史を塗り替えたんですけど、個人的には悔しい思いがあって、勝っても負けても泣いていた」と振り返るのは、当時2年生で右SBのレギュラーを努めていたDF高橋勇夢(3年)だ。前回大会では1回戦、2回戦は途中交代、3回戦は欠場に。準々決勝では戻ってきたが、同大会を制した東福岡高を前に涙をのんだ。

 しかし、全国で準々決勝まで勝ち進んだ経験は今年にも確実に引き継がれている。王者・東福岡に敗れた準々決勝では、1と2年生7人が先発していた。「去年は3年生が少なかったんですけど、彼らに助けられて1、2年生がピッチで活躍できていたので、今年3年生が増えて自分たちがやらないといけないと思っています」。「守備にこだわってずっとやってきた」というチームは、東京都大会の全4試合を無失点で乗り切り、全国の切符をつかんだ。キャプテンを託されている高橋は、チームをまとめただけでなく、右SBながら4試合連続ゴールという離れ業もやってのけた。「セットプレーでは仲間からいいボールがきて、PKも仲間がとったものを自分が決めて。仲間に感謝したいです」。そう謙遜しながら白い歯をこぼした。

 大野祥司監督に高橋のことをたずねると「責任感」「人間力」というフレーズが返ってきた。「270名の部員から一番信頼されていると思う」とキャプテンシーに太鼓判。「技術や戦術は我々コーチがサポートするので、彼のいいところを全面に出して、チームをいいほうに向けてもらえれば」と期待を寄せる。

 21日の抽選会で今年度の選手権の組み合わせが決定。「相手は決まったんですけど、自分たちがどれだけいい状態に持っていけるか」と自信をのぞかせた高橋は、「一番の目標は全国制覇と最初から決めています。そのためには去年を超える(準決勝会場の)埼玉スタジアムまで行かないといけない。でもまずは、緒戦のことだけを考えたいと思います」と気合を込めた。

 1月2日に行われる2回戦で駒澤大高と対戦するのは、高松商高(香川)。選手権への出場は、11年ぶりとなる。チームだけでなくMF安西真輝(3年)にとっても悲願の全国の舞台だ。「1年生のときから試合に出させてもらっていて、悔しい思いを何度もしてきました。たくさんのOBや学校の仲間、親たちの応援のおかげで勝つことができたので感謝しています」。

 今年は最近の高松商高の中では部員も多かったという。キャプテンを務める苦労を聞くと、「3年生が自立しているので助けてくれました。僕はそこまで『キャプテン』というプレッシャーを感じずにやることができました」とチームメイトへの感謝を語った。

「全員がチームのためにがんばれて、粘り強く戦う」スタイルで、全国での1勝を目指す高松商高。「(駒澤大高は)とてもいいチームですし、東京での開催で向こうのホームのような雰囲気になると思いますけど、勝つだけです」と緒戦に標準を合わせた。

(取材・文 奥山典幸)
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