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[MOM1959]京都橘DF水井直人(3年)_「自分が点決めたろ」と攻めた左SB、橘を全国導く決勝弾!

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後半33分、京都橘高は左SB水井直人(5番)が左足で決勝点

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.23 全国高校選手権京都府予選決勝 京都橘高 1-0 京産大附高 西京極]

 ヒーローは劇的な決勝点のシーンについて「頭真っ白で。全然覚えていないです」と微笑んだ。戦前から優位と見られていた王者・京都橘高だったが、攻撃の精度を欠くなど先制することができず、0-0のまま後半残り時間10分を切る難しい試合に。それでも33分、左SB水井直人(3年)が値千金の決勝点を奪う。

 こぼれ球に反応したU-19日本代表FW岩崎悠人主将(3年)がDFをブロックして反転シュートへ持ち込もうとしたところに後方から飛び込んできた水井が左足一閃。岩崎が「あれ、ボクも打てると思ったんですけど、後ろから直人が飛び込んできたのでちょっと引いたら打ってくれたんで。ボール見たら入ったんで最高だった」と振り返ったのに対し、興奮のためか、どうしてPA付近まで攻め上がっていたのか思い出せないでいた水井だが「(ボールが)流れてきていたので行けるかなと。大舞台で決められて嬉しいです」と素直に喜んでいた。

 左SBの自分が試合を決めるつもりだった。今大会は2得点。どちらかというと右のSB大塚陸(2年)が守備に重きを置く一方、水井は左サイドからぐいぐい前に出て攻撃に絡むプレーが持ち味だ。この日は後半15分にオーバーラップから左サイドを深くえぐってパスを通すなど積極的に攻撃参加。そして、終盤も「決めたろかなと思って前へ、前へは意識していた」と高い位置でのプレーを続けていたSBが、見事に決勝点を奪い取った。

 これまではケガに苦しみ、走りのメニューではついて行けない自分がいた。それでも、3年生になって変化し、今回の選手権は「ここが見返す時」とばかりに強い気持ちを持って戦い、結果を残し続けている。米澤一成監督が「思いがあったと思います」と讃え、岩崎も「今大会、直人はゴールの意識高くて。心強かったですね」と評した水井のプレー。自分が何とかする、という気迫がこの日の活躍にも繋がった。

 京都橘の全国大会1回戦の対戦相手は夏の全国高校総体優勝校・市立船橋高に決まっている。「3年前、小屋松(知哉)クンの代が2-0で勝っていてリベンジで来ると思うので、それを押し返す気持ちでやっていきたい」。3年生DFにとって最後の選手権。全国でも思い残すことなく、攻め上がり、走り回って再び大仕事をしてのける。

(取材・文 吉田太郎)
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