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白川が1G1Aのインパクト!「NIKE MOST WANTED」グローバルファイナルは佳境へ…

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MF白川恵士朗は1ゴール1アシストという結果を残した

 イングランドで開催されている「NIKE MOST WANTED」グローバルファイナルは、2日目を迎えた。

 午前中に行われた練習では、ナイジェル・アドキンス氏が登場、選手たちにアドバイスを行った。アドキンス氏は、日本人のことも理解している監督だ。2011〜2013年までサウサンプトンの監督を務め、チームをリーグ1からチャンピオンシップ、そしてプレミアリーグまで昇格させている。その間に、DF吉田麻也とFW李忠成がチームに所属し、指揮をしていた。「じっと待っているのではなく、ボディランゲージが大事。パスを回して終わりではなく、その後どうするか。李と麻也も熱心にやっていた」とエールを送った。

 午後にはグローバルファイナルに来てから初めての11人対11人の試合に。まずは33人の選手がチームAとチームBに分かれ、チームごとのミーティングが行われた。MF白川恵士朗(未所属)とMF西尾翼(東海大)が属するチームBのPATRICK GHIGANIコーチは、自身も言葉に不自由な環境でプレーしていた若き日の頃を振り返り「サッカーというひとつの言葉がある」とメッセージを伝えた。チームBの17選手が輪になって話を進めていく中、自ら名乗り出て発言したのは西尾だ。昨日から、英語が通じなくても他国の選手と積極的に話して仲間の名前を覚えることで、コミュニケーションをはかっている。「チーム全員が協力して、ひとつの勝利を目指して。英語は通じないけど、勝利のために走るので、楽しんでやりたい」。西尾の言葉は通訳を通して伝えられたが、拍手が沸き起こり、チームの結束は強まっていた。

 迎えたチームA対チームB。20分×3本の1本目では、白川が4-2-3-1のトップ下、西尾が左MFとして先発することがコーチから伝えられた。

 急造チーム同士の戦いながら、連動した動きで開始わずか1分を待たずにゴールが生まれる。左サイドの高い位置で西尾が相手にプレッシャーをミスを誘うと、ボールをおさめた白川のスルーパスに1トップの選手が抜け出し、早速ゴールを陥れた。そして、60分の中で、最もインパクトを残したゴールは、日本人レフティが奪う。右サイドのスペースに流れてボールを受けると、ゴールまで距離がある中で左足を一閃。強烈なミドルシュートがチームAのゴールネットを揺らした。

「狙い通り」とゴールを振り返る白川は「自分の良さを出せている」と手応え。「守備に走る余力がない」というほど守るときの動きには物足りなさを感じるが、ボールを持ったときのプレーで印象づけたのは間違いない。だが、試合中に右膝の裏が相手選手と接触し、途中交代を強いられたことが懸念される。「痛いけど、気合い入れてがんばります」。泣いても笑っても、「NIKE ACADEMY」入りの選考発表まで後1日、少ない言葉の中に、決意を感じさせた。

 一方、開口一番「悔しさしか残っていない。やりたいことがやれなかった」と唇をかんだのは西尾。守備時にはインターセプトを見せるなど光るところを見せていたが、攻守にわたって躍動していたこれまでのプレーに比べると物足りなさを感じた。「他(の選手)と変わらないというか。もっと面白いプレーをやりたかった」。1本目は2列目の左、2本目はボランチに入ったが「今日はチームに気を遣い過ぎていた。ワンテンポ遅れて攻撃に参加していた」と分析。「明日が勝負。世界レベル相手に自分がどこまできるか」と最終日に向けて気持ちを切り替えていた。

 チームAとチームBの試合は、「NIKE ACADEMY」の選手たちも見学。今年5月のグローバルファイナルを勝ち抜き、7月から「NIKE ACADEMY」でプレーしているMF波田野海(聖和学園高卒)は、2人の日本人選手をこう評した。「(白川のプレーで)ビックリしたのは、自分が『ここだ』と思ったところと別のところにパスを出していた」「(西尾は)ハードワークがすごかった。カンタンにボールを無くさないし、彼も視野が広い」。明日は、チームA対「NIKE ACADEMY」、チームB対「NIKE ACADEMY」が開催される。現在24選手が所属する「NIKE ACADEMY」でトップ下のレギュラーを張る波田野は、「楽しみです」と不敵に微笑んだ。

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(取材・文 奥山典幸)

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