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間に合った背番号10…鹿島MF柴崎、決勝の舞台に立たせてくれた仲間に感謝

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約1か月振りの公式戦でフル出場を果たした鹿島アントラーズMF柴崎岳

[12.3 チャンピオンシップ決勝第2戦 浦和1-2鹿島 埼玉]

 大一番に間に合わせた。負傷の影響もあり、第2ステージ終盤2試合を欠場。チャンピオンシップ準決勝川崎F戦もベンチ外となり、CS決勝第1戦で後半17分からピッチに送り込まれて復帰を果たした。そして、鹿島アントラーズMF柴崎岳はすべてが決するCS決勝第2戦でスターティングメンバーに名を連ねた。

 仮に準決勝の川崎F戦に敗れていれば、背番号10の出番はなかった。「本来ならば川崎戦に間に合えば良かったんですけど、なかなかうまくいかなかったので、決勝の浦和戦に間に合わせるという形でやっていた。そこはチームメイト、スタッフを含めてチームの皆に感謝したい」。仲間が決勝の舞台に立たせてくれた、スタッフが決勝の舞台に間に合わせてくれたからこそ、ピッチ上で恩を返そうとしていた。

 左サイドハーフの位置に入るとボールを呼び込み、鋭いパスで攻撃にリズムをもたらすだけでなく、球際の勝負に幾度となく挑んでボールを強奪するなど守備でも存在感を示した。

 約1か月振りの公式戦。「試合をこなしていなかったので、体力的に厳しいと思った」と振り返りつつも、「時間が経っても焦ることはなかったし、自分でも驚くくらいに冷静にやれたと思う」と90分間ピッチに立ち続けて、チームの2-1の勝利、そしてリーグ制覇に貢献した。

 年間勝ち点3位からの“下剋上V”に「完全優勝ではないという思いと、それでもルールに乗っ取って勝てたという思いがある。うれしい気持ちもあるが、浦和や川崎に対する敬意もあるので、そういう思いが交錯している」と複雑な心境を明かす。しかし、「ただシャーレを掲げられるのは1チームで、シャーレを僕らが掲げられたことは良かった思う」と7年ぶりのリーグ制覇に喜びを表した。

(取材・文 折戸岳彦)

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