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岡山、初のJ1昇格ならず…MF矢島「J1挑戦はまだ早いと言われている気がした」

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J1昇格を逃し、うなだれる岡山MF矢島慎也

[12.4 J1昇格プレーオフ決勝 C大阪1-0岡山 金鳥スタ]

 素直に力の差を認めた。プレーオフ決勝でC大阪に敗れ、J1昇格を逃したファジアーノ岡山のMF矢島慎也は「結果と力の差は比例していると思う。向こうの上手さを感じたし、岡山にはチャンスも少なかった。悔しいけど、すがすがしい気持ちもあった。まだまだだなって」と、どこか吹っ切れたような表情も浮かべた。

 シーズン6位で挑んだ初のJ1昇格プレーオフ。準決勝では年間3位の松本を2-1で破る下剋上を果たし、決勝へ駒を進めたが、クラブ史上初となるJ1昇格には届かなかった。「チームとしてはこういうところで勝てないと、J1に昇格したらもっと厳しい戦いが待っている。岡山がJ1に挑戦するにはまだちょっと早いと言われている気がした」と、結果を真摯に受け止めた。

 チャンスがなかったわけではない。後半立ち上がりの2分には矢島のラストパスに走り込んだMF三村真がゴール前に抜け出すが、シュートはGKキム・ジンヒョンがセーブ。「ああいうチャンスを生かさないといけない。最後のパワープレーでは(得点の)確率が高くないし、パワープレーに入る前にチャンスをつくらないと、こういう試合は難しい」。決め切る部分での差も感じていた。

 1月にカタールで開催されたAFC U-23選手権兼リオデジャネイロ五輪アジア最終予選に始まり、夏にはリオデジャネイロ五輪に出場。クラブ、代表を含めて密度の濃い1年間を戦ってきた。「五輪出場権を懸けた戦いで優勝したことから始まって、五輪に出て、昇格プレーオフに出て、なかなか経験できない濃い1年を過ごした」。しかし、五輪予選こそアジア制覇を果たしたが、五輪本番は1勝1分1敗でグループリーグ敗退。J1昇格プレーオフも決勝で涙をのんだ。

「こういう大事な試合で決定的な仕事をしないといけないという悔しさしかない」。10番を任されながら、チームを勝利に、J1昇格に導けなかった。その責任も痛感している。「この悔しさを忘れちゃいけない。五輪の悔しさもまだ残っているし、そういう悔しさを糧に這い上がっていかないといけない」。矢島はそう言って前を向いた。

(取材・文 西山紘平)
●2016 J1昇格プレーオフ

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