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今季公式戦初スタメンの坂本が2発!!ベスト4目指す中京大は札幌大に4発快勝

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中京大は坂本広大の2ゴール1アシストの活躍などで初戦を突破した

[12.7 全日本大学選手権(インカレ)1回戦 札幌大0-4中京大 夢の島]

 第65回全日本大学選手権(インカレ)の1回戦が7日、各地で行われ、江東区夢の島競技場では札幌大(プレーオフ)と中京大(東海2)が対戦し、2年連続38回目の出場の中京大が4-0で快勝した。10日の2回戦では筑波大(関東2)と対戦する。

 中京大の朝倉吉彦監督が「立ち上がりに2、3本ロングボールを蹴ったときに相手に緊張感が見えた。そこを突いていけと試合前から話していたが……」と振り返った試合序盤はしかし、札幌大がリズムをつかんだ。前半5分、MF平塚悠知(2年=北海道大谷室蘭高)のスルーパスからMF寺林研人(4年=旭川実高)が右サイドのスペースに飛び出し、ゴール前にクロス。FW新田裕平(2年=北海道大谷室蘭高)のシュートは枠を外れたが、「向こうがシュートを打って落ち着いてしまった」(朝倉監督)と、同9分にも札幌大の平塚がミドルシュートを狙うなど、札幌大のペースが続いた。

 それでも前半25分過ぎから徐々に中京大が流れを引き寄せ、フィニッシュの形をつくり出す。前半35分、DF應和祐希(3年=中京大中京高)の縦パスに反応したMF西村仁志(3年=野洲高)が左足でループシュート。同38分にもMF水野隼人(4年=野洲高)、FW岡田匠馬(3年=清水ユース)、FW水野翔太(3年=東邦高)と細かくつないで水野翔が右足を振り抜いた。いずれもGK河原健太(3年=札幌光星高)のセーブに阻まれたが、前半終了間際の45分、中盤のセカンドボールを拾ってMF江口諒(3年=横浜FCユース)がスルーパス。PA内左に切れ込んだFW坂本広大(3年=熊本ユース)が左足で豪快にゴール右隅に叩き込み、ついに均衡を破った。

 1-0で前半を折り返すと、後半立ち上がりの連続ゴールで勝負を決めた。後半3分、シンプルな縦パスから相手のクリアミスを坂本が奪い、PA内左の岡田にパス。フリーで受けた岡田が冷静に左足で流し込み、追加点を奪った。直後の後半4分にはDF大村海太(3年=藤枝東高)の右クロスを坂本が右足で押し込み、自身2得点目。3-0と突き放し、その後の札幌大の反撃にも冷静に対応した。

「前半終了間際、後半立ち上がりのような切れ目で点が取れると、流れが来る。時間帯は最高だったが、それを自分たちの力で取れるようにしないといけない」。朝倉監督はあくまで辛口だったが、後半17分には長期離脱から復帰したばかりのMF橋本裕貴(4年=桐光学園高)を投入するなど、先を見据えた采配も見せた。後半21分、坂本のループシュートはわずかに枠を外れ、ハットトリックとはならなかったが、同36分に途中出場のFW岩田考弘(4年=名古屋U18)がダメ押しゴール。4-0の完封勝利で初戦を突破した。

 中2日で迎える2回戦では筑波大と対戦する。「筑波さんとやるときに今日のような甘さを見せたら勝てない」。厳しい表情を崩さない朝倉監督だが、「筑波さんは関東の中でもボールを大事にするチーム。そういうチームと高い技術の試合ができれば、見ている人も面白いと思う」と、対決を楽しみにもしている。この日、2得点1アシストの活躍だった坂本はリーグ戦では途中出場での起用が多く、今季公式戦では初先発だった。「ベスト4を目指す中で、チーム力でどう勝っていくかが大事」と、スタメン・控えにこだわらない選手起用も当たった中京大。2年連続の初戦突破には、ただの1勝以上の意味がある。

(取材・文 西山紘平)

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