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[MOM406]中京大FW坂本広大(3年)_故郷に贈る2G1A、熊本Yの同期も刺激に

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前半45分、中京大FW坂本広大が利き足とは反対の左足で先制点を決める

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.7 全日本大学選手権(インカレ)1回戦 札幌大0-4中京大 夢の島]

 自分のためであり、チームのためであり、故郷のためでもあった。2得点1アシストの活躍で中京大を初戦突破に導いたFW坂本広大(3年=熊本ユース)は「自分を全国にアピールしたいし、チームとして一つでも上に行きたい。今シーズン初スタメンだったけど、結果を残したかった」と胸を張った。

 朝倉吉彦監督が「フィニッシュの形を持っているので、ゲーム(の流れ)を変えたいときに使う選手」と話すように、リーグ戦ではスーパーサブとしての起用が多かった坂本。「前日練習でなんとなく分かったけど、監督からは何も言われなかったので……」と本人も驚くスタメン起用だったが、その期待に十二分に応えた。

 0-0の前半45分、PA内左のスペースにフリーで抜け出すと、利き足とは逆の左足を一閃。「何も考えず、迷いなく振り抜けたことが良かった」と、豪快にファーサイドのゴール右隅に叩き込んだ。後半3分に追加点をアシストすると、直後の4分には右クロスを右足で押し込み、自身2得点目。3トップの左がスタートポジションながら、「ゴール前に飛び込むことは常に意識しているし、シュートには自信を持っている」と、ゴール前で抜群の嗅覚を発揮した。

 熊本ユース出身の坂本だが、トップチーム昇格を果たせず、中京大に進学した。ユース時代の同期であるMF嶋田慎太郎、MF上村周平はJ2でコンスタントに出場しており、「ジュニアユースから6年間やってきた仲間がプロに上がって、試合に絡んでいる。悔しい思いもあるけど、自分も頑張ろうというモチベーションになっている」と率直に話す。

 4月に発生した熊本地震では熊本市内の実家も被災した。「実際に帰れたのは夏でしたが、生まれ育った街が変わり果てていた。自分はサッカーをしていていいのかなと……」と大きなショックを受けた。「熊本のためにも自分が活躍する姿を見せて、少しでも元気づけられればと思っている」。故郷の家族や友人たちのためにも、全国の舞台で一つでも多くのゴールと勝利を積み上げるつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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