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「他の大学生GKとは違う」敵エースも脱帽、関西大GK前川がJ1内定の実力示す

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ゴールラインぎりぎりでボールをかき出す関西大GK前川黛也

[12.7 全日本大学選手権(インカレ)1回戦 関西大2-1東海学園大 夢の島]

 J1内定GKの実力を見せつけた。来季のヴィッセル神戸入団が内定している関西大のGK前川黛也(4年=広島皆実高)がファインセーブを連発し、チームの逆転勝利に貢献した。

 サンフレッチェ広島などで活躍した元日本代表GK前川和也氏を父に持つ守護神は前半15分にFW畑潤基(4年=東海学園高)との1対1を至近距離でセーブ。同22分には相手のグラウンダーのクロスを鋭い読みでキャッチすると、同37分、強烈なミドルシュートも横っ飛びで弾き、ゴール方向にこぼれたボールを自らラインぎりぎりでかき出した。

 後半8分、畑のシュートを一度は弾きながら、こぼれ球を再び畑に押し込まれたが、2失点目は許さない。後半18分には畑の鋭いスルーパスに対して反応良くゴールを空けて飛び出し、相手選手よりも一歩早く追いついた。

「普段のリーグ戦よりも忙しい試合だったけど、冷静に対応できた。東海学園の攻撃は強力で、アグレッシブだった」。最少失点に食い止める前川の守りに攻撃陣も応え、エースのFW竹下玲王(3年=磐田U-18)が2ゴールで逆転勝ち。後半アディショナルタイムの逆転ゴールの瞬間は「うれしかった」と言いながらも、「まだ時間は残っていたし、ああいうところからひっくり返されることもある。(試合終了の)笛が鳴るまでしっかりやろうと思った」と冷静だった。

 現役時代にガンバ大阪などでプレーした前田雅文監督は「J1に行くレベルの選手はやはり大学リーグでは抜けている。フィールドプレイヤーも含めて、J1に行く選手とそうでない選手ではポテンシャルの違いがある」と、その存在感を絶賛。相手エースの畑も「他の大学生のキーパーとは違うなと思った」と、舌を巻くほどだった。

 プロ内定GKとして注目を集める中、「周りの目は気にせず、前の自分より良かったのか、自分の中での自己評価を大事にしている」と惑わされることのない冷静沈着な守護神は「プロに行く前の最後の大会なので強い思いはある。プロに行くこととは関係なく、優勝という形を残したいと思っている」と頼もしかった。

(取材・文 西山紘平)

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