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ドルトムントのレジェンド・リードレ氏が語る、古巣の行く末

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現在ブンデスリーガで6位につけるドルトムント

 1993年から約4年間に渡ってドルトムントで活躍し、ドイツ代表経験もあるカール・ハインツ・リードレ氏が、本調子でない自身の古巣の現状について『Goal』に語った。混戦が続く今シーズンのブンデスリーガで、ドルトムントが勝ち抜く術は果たしてあるのか。

 今シーズンのドルトムントは勝ちきれてない試合が多い。シーズン初めに新たに9人の新加入選手を迎えたが、夏にMFヘンリク・ムヒタリアン、MFイルカイ・ギュンドアン、DFマッツ・フンメルスといったユルゲン・クロップ時代の主力組が移籍してしまったことが原因であると多くの人は指摘する。

 しかしリードレ氏は、それよりも、大事な時期に多くのケガ人が出てしまったことの影響のほうが大きいという。代表ウィークを経た後に、MFアンドレ・シュールレやMFマルコ・ロイス、DFウカシュ・ピシュチェク、MFスベン・ベンダーといった10人ものチームの主力選手たちがケガをして戻ってきたのだ。

「新しく入った選手たちはとてもよく機能しているよ。ドルトムントの不調は、トップ選手たちに怪我人が多く出ている点に問題があるんだ」

 だがリードレ氏は、今のドルトムントの状態に対し、決して悲観的には捉えていない。過去の数々の栄光を称えつつ、その栄光を再び手に入れることはどんなときでも大変であると理解しているのだ。

「昨シーズンのドルトムントは信じられないほどの強さを見せていたよ。ブンデスリーガ2位のチームとして最高の勝ち点をあげ、1位のバイエルンよりも多くのゴールをものにしていたからね」

 97年、ドルトムントの主力選手としてチャンピオンズリーグ優勝の立役者にもなったリードレ氏でさえ、昨シーズンのチームの活躍は称賛に値するものであった。

 現在、リードレ氏はクラブの外交役を務めチームを間近で見ているが、今シーズンのチームの成績に満足さえしているようだ。特に攻撃陣に対しては高く評価をしており、彼らは当時「ヘディングの怪物」とまで言われたリードレ氏を夢中にさせている。

「今のドルトムントは非常に攻撃意欲が高いし、多くのチャンスを手にすることができているよ」

 そうリードレ氏は強調する。事実、 ハンブルガーSV戦やボルフスブルク戦では大量得点を決めて大勝を収めた。

 特にFWピエール・エメリク・オーバメヤンの活躍ぶりは凄まじい。すでに15ゴールをマークし、得点ランキングの首位を走っている。また、チームを指揮するトーマス・トゥヘル監督も、多彩な攻撃の引き出しが多いことでも知られている。

「多くの得点をあげていることは、メンバーを見れば納得できるはずだ。オーバメヤン、香川、デンベレ。それに、ワールドカップ優勝メンバーのシュールレとマリオ・ゲッツェの2人もいるんだ。厚い攻撃を仕掛けることができるのは、少しも不思議なことではないね」

 さらに、ドルトムントにはMFクリスティアン・プリシッチという18歳の新星がいる。すでに2得点、4アシストという実績を残している彼は、たとえ主力選手たちが抜けることがあったとしても強力なバックアップメンバーとなるに違いない。

「彼は1対1の競り合いですばらしい強さを見せるし、テクニックも非常に優れている。とても将来性のあるプレーヤーだよ」

 リードレ氏は若きホープをそう評価する。リバプールからのオファーが囁かれているプリシッチだが、チームに残って、核となる選手でい続けてくれることをリードレ氏は期待しているという。

 全てがうまくいっていたこれまでのシーズンと比べれば、今のドルトムントはまだ期待に応えられていない感があるだろう。しかし、チームをよく知るリードレ氏が言うようにすでにチャンスをものにすることはできているのだ。シーズン終盤に向け、ドルトムントには大いに上昇の余地があるに違いない。


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