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筑波大に真っ向勝負挑んで5失点零封負け、中京大DF西村佳祐「悔しいというよりも…」

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西村主将は身体の強さを活かした守備をみせるシーンもあった

[12.10 全日本大学選手権2回戦 筑波大5-0中京大 夢の島]

 真っ向から挑んだ結果は5失点零封負け。見せ場をつくることはできずに2回戦で散った中京大(東海2)。主将のDF西村佳祐(4年=清水ユース)は「本当に悔いしか残らない。爪痕も残せなかったという感じで何もできなかった……“ここから1点返せばやれるぞ”というところがあれば、悔しい気持ちもあるかもしれませんが、もう悔しいというよりも、0-5で何もさせてもらえなかった、何もできなかった。涙も出ませんでした」とうなだれる。

 一年を通じて“つなぐサッカー”を突き詰めてきた。東海学生リーグで準優勝。インカレ出場権を得て、初戦では札幌大に4-0で快勝した。続く2回戦、関東の強豪・筑波大に対しても引くことなく、いつも通りのサッカーで挑んだが結果は惨敗。試合後の選手たちは涙なく、呆然としていた。

 強風のなか、風上に立った前半は最低でもゼロに抑えるプランだった。「少なくとも無失点で抑え、後半に勝負」と共通意識を持っていたが、前半に早々と2失点。一気にプランは崩れた。前半8分にサイドから押し込まれて先制され、同40分には個人技でやられての2失点目を喫した。

 風下という不利な状況で攻めるしかない後半も、ぶれずに回そうという姿勢は示したが、逆にカウンターを食らい、気がつけば0-5。バイタルエリアへ持ち込む回数も少なく、後半のシュート数はゼロに終わった。FW水野翔太(3年=東邦高)も前半1本のシュートに留まり、後半35分からは10番・MF橋本裕貴(4年=桐光学園高)を入れたが流れは変わらず。

 西村主将は「今の率直な気持ちとしては、ベスト4を目指してやってきましたけど、自分たちの力が足りなかったなというところです」と敗戦を受け入れた。

 何よりも東海リーグと関東リーグの違いを肌で感じた一戦だった。主将は「東海リーグとは違うボール回しの速さだったり、連携が上手かった。誰がどこにボールを出したら、どこに動くというのをすごく考えてやっていて。そのスピードについていけなかったなと感じました」と言う。

「ボール回しの上手さと速さ。東海だったら一個ためてパスを出して、またためてという感じなのですが、こっちではポンポンまわす。1対1では東海では一度ボールを止めてから仕掛けてくるのですが、関東の奴らは一発で仕掛けてきた。東海にはないものなので、そこでちょっとついていけなかった部分がありますね」

 5失点敗戦で全国舞台の厳しさを身をもって知らされた。とはいえ、この敗戦はチームとしてまたひとつレベルを上げるため、大切な経験になったはずだ。

 今季のチームを振り返った主将は「今年は後ろからつなぐとやってきて。最初に比べたら、つなげるようにはなったのですが……まだまだ発展途上というか完成していない状況なので。後輩たちはまだまだ続くので、自分たちがやってきたサッカーを受け継いで、さらにいい結果を残してくれればいいと思います」と想いを託した。

(取材・文 片岡涼)
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