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負傷からの“復帰戦”、鹿屋体育大MF松田天馬「チームに貢献できなかった」

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逆転負けに悔しさをあらわにした松田天馬

[12.10 全日本大学選手権2回戦 関西大2-1鹿屋体育大 夢の島]

 負傷からの復帰戦。思うように力を出し切れないままの逆転負けに鹿屋体育大(九州1)のMF松田天馬(3年=東福岡高)は「個人として手応えを感じた部分は特にないですね。もっともっとできたかなと思います」と唇を噛んだ。

「練習試合で少しプレーしながら、ここへ照準を合わせてやってきたのですが、チームに貢献できなかった。(逆転負けは)もったいないなというのがあります。今までやってきたことが出ると思うので、足りなかったんだなと……」

 開幕前に腰を痛めていた。11月20日に行われた九州リーグの最終節・福岡大戦(0-3)を欠場。この日の全国大学サッカー選手権(インカレ)2回戦が約1か月ぶりの公式戦復帰戦。秋田内定のMF藤山智史(4年=四日市中央工高)とボランチを組み、的確なパスをつないでは攻撃の起点として存在感を示した。

 風上に立った前半22分にチームは先制。1-0の前半44分には中央から仕掛けた松田がDF荒木隼人(2年=広島ユース)のファウルを誘い、絶好の位置でFKを獲得した。MF樋口雄太(2年=鳥栖U-18)の蹴りこんだボールはクロスバーの内側を叩いてゴールイン。しかしオフサイドの判定で得点は認められず。1点のリードで前半を折り返した。

 風下に立つ後半に向けて、ハーフタイムには「風向きが変わるし、相手の背後を取って、ボールも止まってしまうはずなので、コーナー付近を狙って、相手を押し込もうと。我慢する時間も増えるから、そこは我慢してやっていこう」と話したという。

 耐え切りたい鹿屋体育大だったが、後半7分に失点。CKから風に乗ったボールはMF木佐貫毅(4年=神村学園高)の頭に当たり、ネットを揺らしてしまった。オウンゴールで1-1になった。

 昨年大会は2回戦で阪南大に1-2の逆転負け。今夏の総理大臣杯は初戦突破したものの、2回戦で日本体育大に0-0(PK4-5)で敗戦。“もったいない形”での敗退が続いていた。だからこそ、この日も1-1にされたとき、ピッチ上は「焦りはなかったですが、最近同じ負け方ばかりしているので、みんな嫌な思いは過ぎったのかなと思います。全国大会で逆転負けばかりだったので」という状況だった。

 すると後半39分に嫌な予感は的中。サイドから押し込まれ、逆転を許してしまった。1-2とされた後半44分には、藤山のスルーパスからPA右へ抜け出た松田が折り返し、途中出場のFW冷岡幸輝(4年=FC東京U-18)がシュートを放つが相手GKの好セーブに泣いた。そのまま試合は終了し、1-2の2回戦敗退。またも全国8強には届かなかった。

「1年間を通しての準備が全然できていなかったのがあります」と振り返った松田。ピッチ上で違いを示していたが、自分自身へは厳しい目を向ける。「九州王者としては非常に情けない結果になったと思いますが、来年はもっともっと九州王者らしく戦うことができれば」とリベンジを誓った。

(取材・文 片岡涼)
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