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[プレミアリーグWEST]最終節も後半失速して逆転残留ならず・・・名古屋U-18は東福岡に0-4で敗れ、初降格

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[12.11 高円宮杯プレミアリーグWEST第18節 東福岡高 4-0 名古屋U18 東福岡高G]

 11日、高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグWEST最終節が行われ、4位の東福岡高(福岡)と降格圏9位の名古屋グランパスU18(愛知)が対戦した。

 すでに自力での残留の可能性はなくなっていたが、8位・神戸弘陵高(兵庫)と名古屋との勝点差は3。神戸弘陵が敗れ、名古屋が勝てば勝ち点14で並び、得失点差で上回っての残留を掴むことができる。昨年も最終節まで降格圏内に沈みながら、京都橘高(京都)から11点を奪い、逆転残留を果たした経験があるだけに、名古屋の選手たちは気合十分で試合に挑んだ。対する東福岡も全国高校選手権前、最後の公式戦とあり、序盤から緊迫した展開が続く。

 最初の見せ場は前半18分。名古屋のFW杉田将宏が中盤でのボール奪取からそのまま前進し、DF裏のスペースにスルーパス。FWマツオカ・ジョナタンがフリーで反応したが、オフサイドとなった。以降もマツオカの躍動感あふれる飛び出しからチャンスを狙ったが、東福岡の守備陣が要所をしっかりと抑えて対処。「前期に対戦した時に、チンチンにやられたので苦手意識があった」(DF小田逸稀、鹿島内定)という名古屋MF田中彰馬に対しても、ほとんど見せ場を与えない。一方、東福岡はテンポの良いパス回しからサイド攻撃を繰り出したが、44分に左クロスから放ったMF高江麗央(G大阪内定)のヘディングシュートが枠から外れるなど名古屋DFを脅かすことができず、両者、無得点のまま前半を終えた。

 後半も名古屋が先に仕掛ける。10分には自陣でボールを奪ったDF青山夕祐が左前方にロングボールを展開。フリーで抜け出したマツオカから中央の杉田と繋ぎ、最後はPA右の田中へと渡ったが、東福岡GK前島正弥が冷静に防いだ。勝利をどん欲に目指す名古屋の攻撃をしのぎ続けると、ここからは東福岡の時間帯に。「我慢する時間が多い中で、前半をゼロで終えることができて、よかった。自分たちは運動量が多いので、相手の足が止まった後半に仕掛けることができた」とDF砂原一生が口にしたように、動きで相手を上回り、チャンスを作る。21分には左CKを競り合ったこぼれをFW大森真吾が押し込み、東福岡が先制すると、42分には途中出場の2人が好機を演出。FW佐藤凌我が右サイドをフリーで突破し、ゴール前に送ったパスをMF姫野天輝が決めた。直後の44分にはPA手前で奪ったFKを高江が直接ゴール左下に決めて3点差。アディショナルタイムにも佐藤が加点し、4-0で東福岡が勝利した。

 名古屋の降格が決定。神戸弘陵が同時刻に行われていた一戦で2-1で大分U-18に勝利しており、名古屋は東福岡に勝利しても残留の可能性は潰えていた。来季、名古屋は11年の創設初年度から守り続けたプレミアの舞台から遠ざかることに。今季も内容が悪い試合は多くなかったが、大半の試合で後半に失速し、勝ち点を逃し続けたことが響いた。また、無失点で終えた試合はわずか2つのみと、守備が安定しないことも結果に繋がらなかった。試合後、悔し涙を流す選手が多い中、1年生の菅原は「僕がチームを引っ張っていくしかない。一年でこの舞台に戻ってこようと決意しました。悔しい想いをした3年生の分まで頑張ります」とコメント。悔しさを自らの力に変えることを誓った。

 対する東福岡にとっては価値のある一勝となった。選手権福岡県予選を終えた直後の第16節、広島ユース戦は気持ちを切り替えることができず、0-3と完敗。「プレミア残り3試合の最初で負けたから、残り2つ勝てることができたと思う。相手は優勝をかけた試合でガチンコ勝負になる中で負けたのはショックだった」と小田は振り返る。ボールの失い方の悪さなど内容面ではまだ課題もあるが、小田が「満足できる内容ではないけど、前節の大分U-18戦で課題だった試合の入り方がうまく行ったことは収穫。選手権に向けて良いゲームができた」と続けるようにこの日の試合では確かなプラスも見えた。何より、「勝って終わると負けて終わるのでは大きく変わる。選手権に繋がるゲームができたと思う」(砂原)とラスト2戦を連勝で飾り、上向きで選手権に入っていけるのは大きなプラス材料だろう。「2連覇は意識しているけど、一戦一戦目の前に試合で全力を尽くしていきたい」と砂原が締めくくったように、驕ることなく、今年も歓喜に湧く準備を進めている。

(取材・文 森田将義)
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