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「関西が低いという構図はない」阪南大が順天堂大に後半一気の逆転劇!!3年連続の4強へ

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阪南大が後半の3得点で鮮やかな逆転勝ちを飾った

[12.12 全日本大学サッカー選手権(インカレ)準々決勝 順天堂大2-3阪南大 味スタ西]

 第65回全日本大学サッカー選手権(インカレ)の準々決勝が12日に行われた。味の素スタジアム西競技場で行われた順天堂大(関東4)対阪南大(関西1)の一戦は、阪南大が3-2で逆転勝利を飾り、3年連続の準決勝に駒を進めた。15日に行う準決勝ではNACK5スタジアム大宮で筑波大(関東2)と対戦する。キックオフは13時。

 立ち上がりからリズムを作ったのは阪南大だった。効果的なサイドからの攻めから攻撃を組み立てる。しかしMF山口一真(3年=山梨学院高)やFW前田央樹(4年=福岡U-18)がサイドに流れてクロスを入れるが、なかなかシュートまで繋げることができない。

 すると前半21分、順大のファーストチャンスが得点に繋がる。MF米田隼也(3年=静岡学園高)ぱらのパスをエリア内左で受けたMF杉田真彦(3年=静岡西高)が右隅を狙ったグラウンダーシュート。杉田のゴールが決まり、順大が先手を奪った。直後に米田が作った決定機は、左に外れていったが、順大が完全にペースを取り戻した。

 そして前半34分、順大がさらに優位に進めることになる得点が生まれる。DF毛利駿也(3年=山梨学院高)の左サイドからのクロスがニアの競り合いでこぼれると、中央に詰めたFW浮田健誠(1年=柏U-18)が左足ボレーで蹴り込む。1年生FWの2試合連続ゴールで点差が2点に広がった。

 しかし阪南大の巻き返しはここからだった。前半40分の山口の左足シュートはクロスバーに跳ね返されたが、2点ビハインドで折り返した後半4分、FKのこぼれ球をMF重廣卓也(3年=広島皆実高)が押し込み、反撃態勢を整える。同8分には左サイドを突破したMF山崎康太(4年=東福岡高)のクロスをエース前田が合わせて試合を振り出しに戻した。

 阪南大は止まらない。後半14分、相手のミスからボールを奪った山崎が、再び奪われたボールを奪い返してゴール前に侵入。「角度はなかったですけど、シュートしか考えてなかった」と迷いなく振り切った右足から逆転ゴールが生まれる。阪南大が11分間で一気に試合をひっくり返して試合を決めた。

 阪南大にとって4強は3年連続となった。須佐徹太郎監督は「よくある阪南の試合展開」と振り返ると、「後半はプレッシャーをとにかくキツくしようと話していた。それをやってくれたことはすごく大きい」と指示通りに体現し、鮮やかな逆転劇に繋げたイレブンを称えた。

 準決勝の相手は筑波大。指揮官は「もう30何年も前の話。意識はしていない」と話したが、母校との対戦にもなる。公式戦の対戦は、MF梁勇基らを擁した第52回大会(2003年)のインカレの準決勝で対戦して以来。0-0から突入したPK戦の末に敗れているだけに、リベンジマッチになる。「関東(のレベル)が高くて、関西が低いという構図は絶対にない」と話した須佐監督。昨年王者の関西学院大が敗れた今、関西王者の阪南大がそれを証明するしかない。

 一方の順天堂大は後半、息を吹き返した阪南大が作り出す雰囲気に飲み込まれてしまった。後半開始1分のFW旗手怜央(1年=静岡学園高)が迎えた決定機、クロスバーに当てたシュートが決まっていれば、阪南大を慌てさせることができたはずだった。ただすべてはたられば。ゲームキャプテンのDF坂圭祐(3年=四日市中央工高)は「立て直せなかったのはピッチの中にいる最上級生の3年生の責任。来年もう一回やって勝ちたい」と早くも目線を来年に向けていた。

(取材・文 児玉幸洋)

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