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[MOM1974]青森山田GK廣末陸(3年)_青森での挑戦で「一番嬉しい瞬間」だった優勝PK!止めて、決めた守護神がMVPに!

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青森山田高は最後のキッカーとしてPKを決めたGK廣末陸中心に喜びを爆発

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.17 高円宮杯チャンピオンシップ 青森山田高 0-0(PK4-2)広島ユース 埼玉]

「高校に入ってから一番嬉しい瞬間でしたね」。0-0のまま延長戦を含む110分間でゴールが生まれなかったチャンピオンシップ。優勝を懸けたPK戦で青森山田高はU-19日本代表GK廣末陸(3年)がいきなり1人目を止めて見せる。先攻・広島ユースMF藤原慶人が蹴ったシュートを右へ跳んでストップ。右手人差し指を突き上げて喜んだ。

 そのGKは相手4人目のシュートを枠外へ外させると、「元々4番目という決まりだったので」自らPKスポットへ向かう。決まれば優勝の決まる大事な、大事なPK。「外したことはないので自信を持って蹴った」右足シュートを左隅へ決めると、右手を突き上げてスタンド方向へ歩き出した廣末に青森山田のチームメートたちが一斉に走り寄って大興奮の状態となった。

 自分が蹴って終わらせたPK戦はこれが初めて。「自分が終わらせた感じはないんですけど、本当にチーム全員の思いを背負って蹴ったPKだったので、本当に良かったと思います。みんながワーっと言って、相手よりも凄い応援してくれてチーム全員で取った日本一だった。良かったと思える瞬間でした」。FC東京U-15深川出身でU-18チームに昇格できずに青森山田で挑戦し、3年間成長してきた守護神は青森の日々で「一番嬉しい瞬間」だったことを明かしていた。

 FC東京加入が内定しているGKは大会MVPに選出されて表彰された。だが、自身のプレーについては満足していない。非常に広い守備範囲でDFラインの背後をカバーし、キャッチングも安定。前半終了間際には至近距離から放たれた決定的な一撃をストップしている。だが、一方で前半にはCKで被ってしまい、MF嵯峨理久のスーパークリアに救われるシーンもあった。「前半、ハイボール被って味方に助けられた部分もありましたし、キックも定まらなかった」と首を振る。そして「きょうは相手のGK(大迫敬介)の方が存在感は大きかったと思うので、ネックの部分を修正しながら、ストロングの部分もしっかり磨いていきたい」と力を込めた。優勝しても、MVPに選ばれても満足はしていなかった。

 青森山田の黒田剛監督は「1年の時はミスもありましたけれど、2年、3年公式戦、国際大会通じてかなりスキルアップしたことと経験豊富になって凄く人間的に大人になった」と評する。そして「絶対に誰にも負けない」という強い姿勢は彼をまた成長させるはず。この日、「相手の方が……」と悔しさを滲ませていた廣末は選手権までにまた少しでもレベルアップし、「ここでまた優勝したいです」という目標を達成する。そして、この日以上の「嬉しい瞬間」を経験して青森での3年間の挑戦を完結させる。

(取材・文 吉田太郎)
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