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打倒レアル誓う柴崎岳「夢を追わない姿、勝利を追わない姿は見せたくない」

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レアルとの決勝を前にしても平常心を貫いたMF柴崎岳

 クラブW杯決勝を翌日に控えた17日、試合会場の横浜国際総合競技場で公式会見が行われ、初出場でアジア勢初の決勝進出を決めた鹿島アントラーズ石井正忠監督とMF柴崎岳が出席した。

 世界各国のメディアが詰めかけた公式会見。石井監督が「こういう素晴らしい舞台に立てて本当にうれしく思っているし、ワクワクしている」と言えば、柴崎も「アジア勢では初めての決勝ということで、(気持ちは)高ぶっているし、明日の試合を早くしたくてウズウズしている」と、高揚感を隠さなかった。

 相手は欧州王者のレアル・マドリー(スペイン)。FWクリスティアーノ・ロナウドを筆頭としたスター軍団をジネディーヌ・ジダン監督が率いる。「今の選手がレアルと対戦できるのにはうらやましい気持ちがある。もし自分が選手だったら、(選手として)能力が低かったので試合には出ていなかったと思うし、試合に出ている選手をベンチで必死に応援していたと思う」。そうジョークを飛ばした石井監督に浮足立つ様子はない。

 ジダン監督との“対決”について「選手のときも素晴らしかったし、監督としても素晴らしい仕事をしている。でも、それ以外に特別な思いはない。サッカーのゲームとして僕はしっかり采配を振るいたいと思っている」と過剰に意識せず、柴崎も「この試合に向けて特別なことは何もしていない。食べるものも一緒だし、特別なトレーニングもしていない。やるべきことは自分たちにしっかりフォーカスしてプレーすること。決勝という舞台は特別だけど、しっかりプレーしたいと思っている」と平常心を貫いた。

 海外メディアからは「明日の試合に勝てると思っているか?」という単刀直入な質問も出た。石井監督は「勝てると思って、選手を信じてやる。確率がどうかは分からないが、勝てると信じて選手を送り出したい」と即答。柴崎も「うちのキャプテン(小笠原満男)は常に『2位も最下位も一緒。優勝しなければ何の意味もない』と言っている。明日、勝たなければ何の意味もない」と言い切り、「勝てると思っているし、僕らは夢を与える職業なので、そういった姿をファンや子供たちに見せたい。夢を追わない姿、勝利を追わない姿は見せたくない。結果がどうなるか分からないが、ベストを尽くして戦いたい」と力強かった。

(取材・文 西山紘平)

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