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[プレミアリーグ参入戦]浦和ユースが12年以来となるプレミア復帰!!鉄壁の守りと巧みな試合運びで長崎総科大附撃破!

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プレミアリーグ復帰を果たした浦和レッズユースイレブン

[12.18 高円宮杯プレミアリーグ参入戦2回戦 浦和ユース 1-0 長崎総合科学大附高 広島広域公園第一球技場]

 高校年代最高峰のリーグ戦、プレミアリーグ参入の権利を懸けた高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグ参入戦(広島)2回戦が18日に行われ、浦和レッズユース(関東1、埼玉)が長崎総合科学大附高(九州1、長崎)に1-0で勝利。12年以来となるプレミアリーグ復帰を決めた。

 盾と鉾。第2節以降の17試合を無敗でプリンスリーグ関東を制した浦和とプリンスリーグ九州で無敗優勝を果たした長崎総科大附が激突した参入戦屈指の好カードは浦和が守り勝った。序盤から“決勝戦”らしい攻防戦。互いの選手たちが見せるハードワーク、わずかな隙を見せれば即失点に繋がりそうな迫力、巧さのあるアタック、それを跳ね返す堅いDFラインと目を離すことのできないような戦いは浦和が先制点を奪う。

 前半35分、右オープンスペースへ送られたボールを長崎総科大附GKがゴールから離れて処理。そこへ浦和FW川上エドオジョン智慧がプレスをかけると、GKの左足キックが中途半端なクリアとなって敵陣中央にいた浦和FW時里元樹の下へと飛んでしまう。これをコントロールした時里がすぐさま右足を振り抜くと、ボールはGK不在のゴールを破って1-0となった。

 先制した浦和は43分にもMF渡辺陽主将の狙いすましたコントロールショットが右ポストを直撃。一方、長崎総科大附はU-17日本代表FW安藤瑞季を中心とした迫力のある攻撃だけでなく、注目MF薬真寺孝弥主将を軸とした素早いパスワークによる崩しも披露する。22分には薬真寺の右クロスを安藤が右足で狙うなど、サイドからクロスを入れるシーンを増やしていた。

だが、安藤が「クロス上げるまでは自分たちのサッカーができたと思うんですけど、シュートまで行けず、ゴールに繋がらなかった」と振り返ったように、浦和の守りを破ることができない。「失点する気はなかったんで、徹底して跳ね返せたと思います」というCB遠藤凌やその高さで相手を圧倒したU-19日本代表CB橋岡大樹、右SB関慎之介らがゴール前で相手の攻撃を跳ね返し続ける。

 長崎総科大附は後半半ばからよりロングボールの割合を増やし、その放り込みからの折り返しやこぼれ球を狙う。対して1点リードを守る浦和は「あれを受け続けるとシンドイ」(大槻毅監督)と後半終了の15分ほど前から選手の判断でコーナーでのボールキープ。渡辺が「試合の状況をしっかり感じて自分たちで切るというのは言ってきたところ」という判断で猛攻からの抗戦を小休止させつつ、カウンターを繰り出しながら時間を進めていく。

 長崎総科大附は左SB武富海季のロングクロスなどに186cmFW中居克仁や178cmFW宇高魁人が競り続けるが、浦和は橋岡や交代出場の187cmCB大桃伶音、GK山田晃士らがPAで競り勝ち続け、危険なゾーンにボールを落とさない。繰り返し攻める長崎総科大附を防ぎ続けた浦和の盾。そして、大槻監督が「松高(遼)と大西(翔也)がよく頑張っていた。近くのやつらの距離感とか守備のサポートが凄く良かったと思います」と絶賛した中盤の選手たちのセカンドボールの攻防における健闘も光って浦和は1点を守り抜いた。

 渡辺は「1年間我慢強く戦うことも最初はできていなかったんですけど、最後できるようになりましたし、最後集大成として我慢する力だったり、拮抗した中でも点取れるという部分は見せられたと思います」と胸を張った。「本来、居るべき場所」プレミアリーグへの帰還を果たした浦和。橋岡は「来年、チャンピオンシップで優勝できるように頑張っていきたいです」と力を込めた。先輩たちからは「降格すんなよ」とイジられたという浦和の下級生たちが来年、J屈指の強豪クラブのユースチームのプライドを持って戦い、目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)
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