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SB起用の筑波大DF野口、チームのために「守備に重きを」

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SB起用に応えた筑波大DF野口

[12.18 全日本大学サッカー選手権(インカレ)決勝 日体大0-8筑波大 駒場]

 アタッカーとして能力高いMFだが、SB起用に応えるべく守備に専念。豊富な運動量で走り続けた。筑波大のMF野口航(3年=大津高)は左SBでプレー。決勝・日本体育大戦は前半のみのプレーとなったが、サイドを突破しては味方へパスをつなぎ、守備では身体を張った。

 今季序盤はアタッカーとしての起用が続いていた。しかし10月30日の後期第20節・法政大戦(2-1)以降はSBで起用。そこからリーグのラスト3試合で左SBとしてプレーすると、始まった全日本大学選手権(インカレ)でも初戦・2回戦から決勝までの全4試合にSBで先発。左サイドを託された。

 本人は「元々やったことあったポジションでしたし、後期リーグの途中からやるようになり、問題なくやれたので。今回の大会もその流れのままやれて、そこまで違和感なくできました」と振り返る。

 決勝の日本体育大戦は、なかなか持ち味である攻撃での見せ場は少なかったが、相手の攻撃の芽を摘むなど、地道なプレーが光った。「攻撃の面ではあまり自分の思ったようなアタックはできなかったのですが、守備の面で最低限のことはできたかなと思います」と言うとおりだ。

「攻撃をしたい気持ちもありましたが、(インカレは)トーナメントなので後ろはゼロで抑えることが大事。試合のなかでは守備というほうに重きをおいてプレーしました」

 やりたいことをやるのではなく、あくまでチームのためにすべきことに徹した。野口たち守備陣は、決勝を含めた今大会の4試合でわずか1失点。統率とれた守備陣のプレーは日本一を引き寄せた。

 決勝・日本体育大戦は前半のみの交代となったため、「個人的にはミスも多くて、出来は良くなかった」と顔を曇らせたSBだが、「周りが上手いことカバーしてくれたので本当にみんなに仲間に感謝したいです」と微笑む。

 来季は野口にとって、大学最終シーズン。アタッカーとしてピッチへ送られれば、得点につながるプレーを示し、SBとしてピッチへ立てば、疲労をいとわずに攻守に駆け回る。野口は「来年からは自分たちが最高学年になるので、この経験をまたみんなで味わえるように、しっかりとチームを引っ張っていきたいなと思います」と4年生となる覚悟をのぞかせた。

(取材・文 片岡涼)
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