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MVP憲剛らベスト11受賞者が“褒め殺し” 昌子「感無量です」

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Jリーグアウォーズ後の記者会見で笑顔を見せるDF昌子源

 ライバルからの“褒め殺し”に恐縮しきりだった。Jリーグは20日、横浜アリーナで「2016 Jリーグアウォーズ」を開催。DF昌子源(鹿島)が初のベストイレブンに輝いたが、クラブW杯で見せたパフォーマンスについて他のベストイレブン受賞者から次々と絶賛の声があがった。

 表彰式ではMF齋藤学(横浜FM)が今シーズンのベストプレーを聞かれ、「レアルもなかなか抜けなかった鹿島を相手にドリブルで抜いて点を取ったゴールですかね」とコメント。昌子が「間違いないと思います」と苦笑いで応じる一幕があった。

 18日のクラブ決勝でレアル・マドリーをあと一歩のところまで追い詰め、延長戦の末、2-4で惜敗した鹿島。2ゴールのMF柴崎岳が脚光を集めた中、FWクリスティアーノ・ロナウドのドリブル突破を昌子が粘り強く抑え込むなど、GK曽ヶ端準を含めた守備陣が存在感を発揮した。

 表彰式後に行われたベストイレブン記者会見では、Jリーグチャンピオンシップで鹿島と激闘を繰り広げたDF槙野智章(浦和)、MF中村憲剛(川崎F)に「鹿島とレアルの決勝を見て、どう感じたか?」という質問が出た。

 槙野は「悔しい気持ちがある中で試合を見ていたけど、大会を通して鹿島の選手一人ひとりが成長する姿を見て、うらやましいと思っていた」と率直に答え、昌子のプレーについては「素晴らしいものだったと思う。名だたる選手を抑えたことはもちろん、(日本代表の)ハリルホジッチ監督が言う『前に出る守備』『ファウルをしないで奪う守備』をしていた。大会を通じてMVP級の活躍をしていたのが昌子選手だったと思う」と、5歳下の同じセンターバックを持ち上げた。

「悔しさとうらやましさが半分半分の心境で試合を見ていた」という憲剛も「自分たちがその舞台に立てなかったのは悔しかったけど、鹿島がJリーグの力を見せてくれたと思うし、より世界の目がJクラブに向くと思う」と感謝。昌子については「あまり面識はないけど」としながらも、「Jリーグで対戦するとき、いつも立ちはだかるのが昌子くん。試合ごとに成長する姿を見ていたし、最後は自分で守るんだという気概をレアル戦では感じた。これだけ頼もしいDFが日本に出てきたことをうれしく思う」と、手放しで称えた。

 36歳の中村はMVPの歴代最年長受賞記録を更新。ひと回り離れた日本を代表する司令塔の言葉に24歳の昌子は「感無量です。ありがとうございます」と、ただただ恐縮していた。

(取材・文 西山紘平)

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