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ユース取材ライター陣たちが推薦する「選手権注目の11傑」vol.2

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土屋氏が注目選手のひとりに挙げる駒澤大高SB村上哲

特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『全国高校選手権注目の11傑』」

 ゲキサカでは開幕が近づいてきている第95回全国高校サッカー選手権の注目選手を大特集。「選手権注目の11傑」と題し、主にユース年代を取材、観戦する6氏に選手権注目の11選手を紹介してもらいます。第2回は(株)ジェイ・スポーツのJリーグ中継プロデューサーを務める傍ら、東京都中心にユース年代のチーム、選手を取材、そしてゲキサカでコラム『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』も連載中の土屋雅史氏による11名です。

土屋雅史氏:「今回も取材回数の多い東京のチームを中心に、過去の11傑や『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』でご紹介した選手を除外した上で選出させてもらっていますが、その他の地域の選手は基本的にインパクト重視!少ない回数ではあるものの、試合を見ていて『面白い!』と感じた選手を挙げさせてもらいました。高校生にとって最大の目標である選手権に辿り着いた48校の選手には、この舞台を存分に楽しんで、最高の想い出を作って欲しいと思っています」

以下、土屋氏選出の11名
GK對川敦紀(広島皆実高3年)
「2年生から守護神を託され、昨シーズンの全国総体8強へチームを導いたGKは、1対1に無類の強さを発揮するなど安定感抜群。地元開催となった今シーズンの全国総体とプレミア参入戦での苦い経験を胸に、2度目の日本一を目指す皆実が誇る最後の砦として、ゴールに鍵を掛け続ける。

DF澤田拓実(立正大淞南高3年)
「昨シーズンは唯一の2年生レギュラーとして全国総体ベスト4に貢献したものの、選手権出場は4年ぶりに逃す悔しい結果に。キャプテンを託された今シーズンはポジションも左SBから右SBに変わり、攻守に幅広く存在感を発揮。東京出身だけに関東凱旋となる今大会に期する思いは人一倍強いはず」

DF佐藤瑶大(駒澤大高3年)
「昨年の選手権は優秀選手に選ばれるなどブレイクしたものの、準々決勝の東福岡戦で負傷欠場を強いられ、やや消化不良のまま大会を終えた。『今年の選手権は全試合に出て去年の記録を上回りたいですし、自分も1つステップアップできるようにしたいですね』と語る都内屈指のエアバトラー-は、1年間明確に掲げてきた頂点だけを見据えている」

DF角田涼太朗(前橋育英高2年)
「上州のタイガー軍団を最後尾から支えるスマートなレフティCB。チームを率いる山田耕介監督も『アレは良い選手だと思います。フィード能力も高いしね』と評するように、得意の左足から繰り出すフィードは1本でチャンスに直結するシーンも多々。空中戦無双の松田陸と組むCBコンビは補完性も抜群」

DF村上哲(駒澤大高3年)
「好きな選手にシニシャ・ミハイロビッチを挙げる、“悪魔の左足”に絶対的な自信を持つ攻撃的SB。昨年の選手権予選前後から定位置を掴み、全国でも活躍を見せたレフティは、予想もしないタイミングでミドルシュートやサイドチェンジを軽々と繰り出す。『東福岡にリベンジしたいですね』と最後の冬へのモチベーションも高い」

DF三国スティビアエブス(青森山田高3年)
※別記事のコラムにて紹介

MF菅屋拓未(関東一高3年)
「ボランチとSBを高次元で兼用できるファイターは、シーズン最終盤に来て定位置をがっちり確保。高いテクニックを有する選手の多いチームの中で、相手の懐へ躊躇なく飛び込める菅屋のアグレッシブなプレーは、守備時のスイッチを入れる意味でも貴重な役割を担っている」

MF安田光希(帝京長岡高2年)
「『替えの利かない選手。1年間使い続けて良くなってきた』と古沢徹監督も期待を寄せる左利きのアンカーは、新潟明訓高との県決勝で3ゴールに絡む活躍を披露し、3年ぶりの全国出場に大きく貢献。技巧派集団と称される帝京長岡の中でも、『非凡なものがある』と指揮官も認めるキック精度は群を抜いている」

MF金子大毅(市立船橋高3年)
「名門イチフナの “屋台骨”とも言うべき戦術上のキーマン。流麗なポゼッション時にチームのバランスを考慮しつつ、最後尾でリスク管理をしながら立ち位置を取れるプレーは、今シーズンからトライしたポジションとは思えない成熟度を誇る。『100パーセントでプレーすることを意識してやっています』という金子は、夏冬連覇を狙うチームにとって絶対に欠かせない重要なピース」

MF山室昂輝(米子北高3年)
「中盤の形を試合の中で使い分ける米子北において『自分がやれないとゲームがうまく行かないというのはあります』と、サイドハーフとトレスボランチの一角を自在に行き来する戦術理解度の高い10番。『自分はチームのために走るということを一番心掛けている』と既に選手権を戦い抜く覚悟は整っている」

FW景山海斗(関東一高3年)
「今シーズンはなかなか決まらなかった“カンイチ”のCFに選手権予選の準決勝から起用され、一気にハマった長身アタッカー。『今までウチにいなかった、サイズがあってしなやかなタイプ』と小野貴裕監督も表現する遅れてきたストライカーの出来が、初めて冬の全国へ挑むチームの命運を握っている」

■執筆者紹介:
土屋雅史
「(株)ジェイ・スポーツに勤務し、Jリーグ中継を担当。群馬県立高崎高3年時にはインターハイで全国ベスト8に入り、大会優秀選手に選出。ゲキサカでコラム、『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』を連載中。著書に「メッシはマラドーナを超えられるか」(亘崇詞氏との共著・中公新書ラクレ)。」


▼関連リンク
【特設】高校選手権2016
SEVENDAYS FOOTBALLDAY by 土屋雅史

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