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敵将も唸った劇的ミドル…横浜FM天野純「打てば入る感覚があった」

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[12.24 天皇杯準々決勝 横浜FM2-1G大阪 日産ス]

 ガンバ大阪長谷川健太監督も「天野のシュートを褒めるべき」と唸るしかなかった。横浜F・マリノスは1-1で迎えた後半アディショナルタイム6分に決まったMF天野純のゴールによって、劇的な勝ち上がりを決めた。

 “予行演習”も完璧だった。1点リードの後半23分、決勝点よりもやや遠い位置からのロングシュートをゴール右隅に蹴り込み、ゴールネットを揺らした。これは惜しくもオフサイド判定に取り消されたが、「打てば入る感覚があった。またチャンスが来ると思っていた」と話したように自信を確信に変えることが出来ていた。

 そして後半アディショナルタイム6分、その時はやってくる。カウンターから右サイドに展開すると、MF前田直輝から中央にパスが出る。「右側から相手が来ているのが分かったので、左足であえて大きめにトラップした」。そこから振り抜かれた左足。「逆サイドが空くなとトラップする前から感じていた。あとは対角線に上手くシュートを流し込むだけだった」。パスが出された瞬間にはもう、未来予想図は描かれていたのだ。

 順天堂大から入団して3年目の天野。これまで出場機会に恵まれない時期を過ごしていたが、今季終盤は中村俊輔の負傷によってチャンスが与えられるようになった。「試合終盤までパワーを残せるのは、試合に出続けるようになったことで得られたもの。自分自身の成長を肌で感じることが出来ている」と充実感も得られている。

 天野の活躍もあり、横浜FMは天皇杯優勝の2013年以来、3年ぶりのタイトルに前進した。ただここで満足するわけにはいかない。「これまで試合に出れない時期が長かったけど、シーズン終盤にようやく自分の存在感を示すことが出来た。腐らずやってこれてよかったなと感じています」。充実期を迎えている25歳は、そのままの勢いで大阪に乗り込む。

(取材・文 児玉幸洋)
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