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[皇后杯]負傷GK福元のグローブでPK2本ストップ!INAC神戸GK武仲「止めれそうやなって」

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INAC神戸レオネッサが2年連続6度目の皇后杯優勝

[12.25 皇后杯決勝 新潟L0-0(PK4-5)I神戸 フクアリ]

 集中力は研ぎ澄まされていた。INAC神戸レオネッサは120分間を戦い終えても0-0からスコアを動かせず、PK戦に突入。準決勝で負傷した正GK福元美穂に代わってゴールマウスを守ったGK武仲麗依は、「緊張というよりはワクワクして試合に挑んだ」と初の大舞台にも臆することはなかった。

 読みはいきなり当たった。先攻の新潟L1人目のDF中村楓が「蹴る直前で迷ってしまった」シュートを見逃さず、右に飛んで弾き出す。「ある程度はフォームを見て、キッカーの視線を見て飛んだ」。さらに新潟L2人目のDF坂口萌乃が蹴り込んだシュートはクロスバーを越え、連続失敗に追い込んだ。

 決めれば優勝が決まったINAC5人目、MF田中明日菜のシュートはクロスバーを直撃。しかし、この日2本目のビッグセーブが飛び出す。新潟L7人目、DF渡辺彩香が正面を狙ったシュートに好反応。シュートを弾き出すと、両手でガッツポーズを突き上げた。2年連続6度目の優勝の立役者となった殊勲のGKは「なんか今日、止めれそうやなって気がした」と胸を張った。

 準決勝で負傷した福元のグローブを使って試合に臨んだ。「みんなの思いを背負って、責任も背負って試合で使わせてもらった」。武仲は今季、4年間在籍した古巣に1年ぶりに復帰。すると、8月にはクラブの混乱にあえぐ岡山湯郷belleから元日本代表GK福元も電撃入団。正GKの座を受け渡すことになったが、下は向かず、いつでも試合に出られるように準備をしてきた。

 ベテランGKと切磋琢磨しながらつかんだ優勝。加入後すぐにチームに溶け込んだ福元には「信頼関係を築くのがすごい早かった。声の存在感に違いがある」と敬意を抱きながらも、「シュートストップに対して特に差があるとは思ってない」と一歩も引く気はない。気鋭のGKはチーム内の競争を刺激に、さらなる高みを目指す。

(取材・文 佐藤亜希子)
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