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大学サッカーで光る川崎U-18出身者たち、大学選抜選考会では専修大ルーキーFW岸も奮闘

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さらなるステップアップが期待されるFW岸晃司

[12.25 全日本大学選抜選考会2日目 流経大G]

 かつてのチームメイトや先輩の活躍に触発されている。専修大のFW岸晃司(専修大1年=川崎U-18)は今月24、25日に行われた全日本大学選抜の選考会に初めて招集された。初日の紅白戦では、なかなかボールに触れずにいたようだが「2日目の方がボールに触れて上手くいったかな」と手応えを語る。

 川崎フロンターレU-18から今春に専修大へ進学。開幕戦で先発デビューを果たすと、第2節では早くも大学リーグ初ゴールを記録。前期リーグでは11試合中6試合に出場して、2得点と結果を残した。しかし、その後に左膝内側靭帯を負傷。大学1年生を対象として夏に行われたU-19全日本大学選抜の活動にも参加はできず。約3か月離脱すると後期リーグは出遅れた。

 離脱期間があった影響でリーグ通年では9試合の出場に留まったが、迎えた全日本大学選手権(インカレ)では初戦・日本文理大戦で得点を挙げる活躍。奮闘ぶりは認められ、今回の全日本大学選抜選考会に1年生ながら選出された。本人は「全く準備もしていなかった。専修大として結果を出さないとと思っていたので本当にびっくり」と言う。

 25日の紅白戦では積極的にドリブルで持ち込むなど、果敢にゴールを狙った。ネットを揺らすことはできなかったが「周りがみんな上手いので、自分は自分の特徴を出して、ゴールを決めるなどで結果で示していきたい」という意気は見せた。

「やれたというか、もっとできるというのは本音ですけど、でも自分が思った以上にできたのは良かったかなと思います」

 この日の選考会には、川崎U-18時代の先輩であるMF脇坂泰斗(阪南大3年=川崎U-18)と同期のMF三笘薫(筑波大1年=川崎U-18)もいた。25日の紅白戦では同じチームでプレーすることは叶わなかったが、初日は久々に同じチームの一員としてボールを蹴ったという。かつてのチームメイトとの“再会”に「やっぱり楽しいです。フロンターレはフロンターレのなかのリズムがあるので」と笑顔をみせた。

 なお、高体連出身者の活躍が目立つ傾向にある大学サッカーだが、今季は川崎U-18出身選手の奮闘が光った。脇坂が関西学生リーグでMVPを獲得したほか、三笘は筑波大のインカレ制覇に大きく貢献して名を上げた。インカレ優勝の筑波大で“ゲームキャプテン”を務めていたのはMF吉田直矢(4年=川崎U-18)。専修大を主将として率いていたのはDF小口大貴(4年=川崎U-18)だ。岸は同期や先輩に負けじと、ここから上を目指していく。

 まだまだ大学1年目を終えたばかり。なかなか先に目を向ける余裕はなく、「まずは自チームで一番にならないといけない。そこで結果を出してから、先については考えていきたいです」と慎重に語る。川崎育ちのプライドを胸に秘め、一歩一歩確実に歩みを進める。

(取材・文 片岡涼)

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