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「一番身近なライバルに全部持っていかれた」、巻き返し誓う流通経済大FWジャーメイン良

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今津と競り合うジャーメイン(右)

[12.25 全日本大学選抜選考会2日目 流経大G]

 巻き返しを誓った。流通経済大のFWジャーメイン良(3年=流通経済大柏高)は今月24、25日に行われた全日本大学選抜選考会へ参加。ライバルFWへの悔しさを胸に、連日行われた紅白戦でいずれもゴールを挙げてアピールを果たした。

 25日の20分間3本の紅白戦では、流通経済大のチームメイトDF今津佑太(流通経済大3年=流通経済大柏高)と競り合うシーンもあったが、持ち味である裏への抜け出しでチャンスメイク。パスを受け、PA内へ持ち込んではゴールも奪った。「決めるところだったので、そういう詰めの甘いところが上手くつけたかなと」と自己評価を語る。

 今季はとにかく苦しいシーズンだった。流通経済大は夏の大学日本一決定戦・総理大臣杯への出場権を逃し、天皇杯茨城県予選では筑波大の後塵を拝し、天皇杯本戦へいけず。リーグ戦では残留争いを強いられて8位終戦。全日本大学選手権(インカレ)への出場も叶わなかった。ジャーメイン自身もリーグでは、21戦4得点と1アシストと結果が振るわず。1年間を通じて、もがきながらプレーしたが、浮上のきっかけをつかめないままシーズンは終わってしまった。

 不振のときを過ごすジャーメインを横目に、全日本大学選抜でのチームメイトであり、天皇杯茨城県予選でも顔を合わせる筑波大のFW中野誠也(3年=磐田U-18)は大ブレイク。関東リーグの得点ランキングではトップにわずか1点足らずの2位。続くインカレでは“得点王”となる活躍ぶりだった。

 自らが立つことも叶わない全国舞台で中野は結果を残した。ジャーメインは「(インカレでは)筑波大が優勝して、誠也が結果を残して……一番身近なライバルに全部を持っていかれた感じだったので悔しかったです。もどかしい感じでした」と唇を噛む。流通経済大スタッフからは日々の練習のなかで「誠也はああやってできるのに、なんでお前はできないんだ?」と比較されるようで「悔しいです」と繰り返す。

 この悔しさは来季に晴らすしかない。辛うじて1部残留を決めた流通経済大は、来季に再び関東1部を戦う。大学最終学年を迎えるストライカーは「とにかく今年は結果が出なかったのが一番で、個人的にもチームとしてもだめだった。そういう今年だめだったところを来年につなげたいです。なんとか残留できたので、活かせるチャンスはある」と前を向いた。

「得点王というよりもチームが勝てるように1試合1点を取るくらいの力をつけたいです」と誓ったジャーメイン。チームのために戦い続ければ、必ずや結果はついてくる。並み居るライバルを押し退けて、巻き返しのシーズンが始まる。

(取材・文 片岡涼)

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