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香川サンタからXmasプレゼント!!小学生の笑顔弾けた「JFA・キリン スマイルフィールド」

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MF香川真司が子供たちと一緒にボールを追いかける

 寒さを吹き飛ばすように、子供たちの元気な笑い声が響き渡った。時折、雪もちらついた仙台市立上愛子小学校。クリスマスイブに特別なサプライズが待っていた。サッカーを通じて東北の子供たちに笑顔を届ける「復興応援 キリン絆プロジェクト」の一環として「JFA・キリン スマイルフィールド特別教室2016」が12月24日に開催され、日本代表MF香川真司(ドルトムント)がスペシャルゲストとして登場した。

 キリングループが東日本大震災の復興支援活動として公益財団法人日本サッカー協会の協力で継続的に行っている「JFA・キリン スマイルフィールド」は、岩手県、宮城県、福島県の小学校を対象に2011年9月よりスタートし、これまでに10万3483人が参加している。689校目の開催となった今回は上愛子小学校の児童45人を招待。元日本代表GKの小島伸幸氏をメインコーチに迎え、冬休みの校庭でサッカーボールを使って体を動かした。

 サッカー教室のスタートにあたり、小島氏が「サッカーが得意じゃないという子はいますか?」と質問すると、多くの子供たちが手を挙げた。児童がみんな日常的にサッカーに触れ合っているわけではない。その中で、体を動かすことの楽しさを“サッカー”を通じて知ってもらおうと、未経験者でも、だれもが楽しめるプログラムが組まれた。

 ゲストコーチとして香川が来ることは事前に知らされておらず、小島氏が「クリスマスイブということでみんなにスペシャルゲストをプレゼントします!」と香川を呼び込むと、どよめきと歓声があがった。日本代表の背番号10と一緒にボールを蹴る“サプライズプレゼント”。子供たちは緊張した様子も見せず、元気いっぱいに笑顔を弾けさせた。

「寒い中、クリスマスイブにこんなにたくさんの子供たちが来てくれて、素晴らしい1日になりました。短い時間でしたが、子供たちと触れ合えて、僕自身がまた元気をもらえました」。台風の影響で中止となった2014年を除いて2012年から毎年、「JFA・キリン スマイルフィールド」に参加している香川だが、毎回、子供たちに元気を与えるつもりが、むしろ自分が元気をもらっていることに気づかされるという。「子供たちの素直なリアクションや言葉を見たり聞いたりするたびに、サッカー選手としてもっと活躍して、夢を届けられるようにがんばっていきたいと毎回、強く感じています」と刺激をもらっている。

 参加した児童の中には、スポーツがあまり得意ではないという子もいた。それでも、約1時間半のイベントが終わったときには「運動は嫌いだったけど、やってみてすごく楽しかった」「サッカーはよく見に行っていたけど、自分ですることはなかったので、もっと好きになった」という声が次々と上がった。香川自身、「僕もそうでしたけど、子供のころは野球をやったり、バスケをやったり、いろんなスポーツをやっていました。今の子供たちにも外で元気よく遊んでほしいし、スポーツをやることの楽しさをまず知ってもらえれば」と、その思いを口にする。

 スタートから6年目を迎えた「JFA・キリン スマイルフィールド」。参加当時、小学生だった児童が中学生になってサッカー部に入ったという話を伝え聞いた香川は「僕自身、子供たちに何かのきっかけを与えたいと思っていますし、こういう交流を通じて自分のやりたいことを見つけてくれればいいなと思っています。その中でスポーツ選手になりたい、サッカー選手になりたいと志してくれるというのは、これ以上なくうれしいです」と喜んだ。

 子供たちとの触れ合いの中で香川がいつも意識しているのは、常に本気でサッカーと向き合う姿勢を見せることだ。香川を含むコーチ陣と子供たちがミニゲームで対決した際には、遊び心満載のプレーで子供たちを喜ばせる一方、シュートを外して本気で悔しがるシーンもあった。

「今年はちょっとミスが多かったかなという反省点があります。もっと子供たちに夢を見させたかった」と冗談交じりに笑うと、「大人げないと言われても、本気のプレーを見せることが大事なのかなと。遊びは常に本気でやるものだと思っていますし、僕自身がそうやって育ってきました。どんな環境でも“この人に負けたくない”という気持ちを持ってきたし、そういうことを少しでも多くの子供たちに感じ取ってもらえたらうれしいですね」と、その真意を語った。

 台風の影響で中止となった2014年を除けば、毎年、欠かさず「JFA・キリン スマイルフィールド」に参加しているのは、仙台、そして東北が香川にとって特別な場所であるのも理由の一つだ。香川は小学校卒業後、生まれ育った神戸を離れ、仙台市内の中学校に通いながらFCみやぎバルセロナのジュニアユースでプレーした。仙台は高校2年の途中まで過ごした“第2の故郷”であり、「僕がプロのサッカー選手になれたのも、仙台の皆さんのおかげだと思っている」と、感謝の気持ちを忘れたことはない。

「すごく大事な時間を仙台、東北で過ごしたので、その恩返しではないですけど、子供たちには僕と同じように夢を追いかけて、是非それをつかみ取ってほしいなと思っています」。キリンとともに「JFA・キリン スマイルフィールド」を2012年から継続して活動している香川には、サッカーボールを使って子供たちを笑顔にしていきたい強い思いがある。「キリンさんや皆さんのサポートの下、これからもこういう場を定期的に持ちたいですし、全国の子供たちに夢を持つことの大切さを伝えていきたいと思っています」。サッカーが広げる笑顔の輪。約1時間半という短い時間の中でも、その可能性は十分に感じることができた。

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