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「監督だと思って一緒に戦った」山本総監督不在の野洲、またも初戦で散る

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試合前、クマのぬいぐるみと一緒に集合写真を撮影する野洲イレブン

[12.30 全国高校選手権開幕戦 関東一高1-0野洲高 駒沢]

 “らしさ”は見せた。しかし、1点が遠く、2大会連続の初戦敗退に終わった。野洲高(滋賀)のDF川瀬相主将(3年)は「内容が良くても結果が付いてこなかったら一緒。チャンスは何度もあったけど、生かし切れなかった自分たちが悪い」とうなだれた。

 主導権を握っていたのは野洲だった。しかし、前半29分のMF江口稜馬(2年)の左足ミドルはクロスバーを直撃。その後の好機も生かせず、0-0のまま試合が進むと、後半21分にPKで先制を許した。

 綾羽との県予選決勝では前半アディショナルタイムと後半アディショナルタイムにそれぞれ得点し、3-2で競り勝った。「うちはアディショナルタイムに得点を挙げることが多い。(ベンチからは)『最後まであきらめるな』と言われていたけど、PKでの1失点に泣いた形になった」と唇をかんだ。

 山本佳司総監督はベンチに入らず、代わりに31番のユニフォームを着たクマのぬいぐるみがベンチの左端に座っていた。川瀬は「あれは監督です。チームで用意して、あれが監督だと思って一緒に戦った」と話す。「やるのは自分たち。(山本総監督の不在を)言い訳にしたらダメだと言い続けていた。監督がいなくても、自分たちでもっと厳しくできていれば勝てた試合だったと思う」と、自らを責めた。

 聖和学園に1-7で大敗した前回大会に続いて1回戦で姿を消すことになった。出場3大会連続の初戦敗退。「去年、自分たちも先輩に言われた言葉だけど、来年またここに戻ってきて、1回戦の壁を乗り越えて、全国制覇してほしい。(来年は現2年生の)江口(江口稜馬)と高取(高取誠隆)が中心になる選手。あいつらに僕ら3年は期待している」と、後輩たちに夢を託した。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

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