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「ウチはいつもそんな感じ」な展開も…徳島市立、PK戦の末に帝京長岡を下す

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帝京長岡高DF澄川広大(3年)を振り切ろうとする徳島市立高FW山本史弥

[12.31 全国高校選手権1回戦 帝京長岡1-1(PK4-5)徳島市立 駒場]

 第95回全国高校サッカー選手権1回戦が各地で行われ、埼玉・浦和駒場スタジアムの第2試合では3年ぶり5回目の出場となる帝京長岡高(新潟)と2年ぶり15回目の出場となる徳島市立高(徳島)が対戦。スコアレスで折り返した試合は、後半4分に帝京長岡が先制するも、2分後の同6分に徳島市立が追い付いて1-1のままPK戦に。PK戦を5-4で制した徳島市立が初戦突破を決め、2回戦で聖和学園高(宮城)と対戦する。

 序盤から主導権を握って試合を進める徳島市立が、前半11分に好機を生み出す。左サイドを突破したFW水田智(3年)の折り返しに対して、ニアサイドに飛び込んだFW山本史弥(3年)が合わせるも、シュートはポストを叩いて先制点を奪うには至らなかった。その後も圧力を掛け続けるが、DF澄川広大(2年)とDF石川悠(2年)のCBコンビを中心とした帝京長岡守備を崩し切れずに0-0のまま、前半終了のホイッスルが吹かれた。

 すると、前半のシュートをゼロに抑え込まれた帝京長岡が後半4分に先制点を奪取する。左サイドでボールを受けたFW楜澤健太(3年)が鋭いドリブルで敵陣深くまで運んでグラウンダーのクロスを送ると、ファーサイドまで流れたボールにフリーで反応したFW陶山勇磨(2年)が右足で蹴り込み、スコアを1-0とした。

 前半を優位に進めながらも先制を許したことになったが、徳島市立の河野博幸監督は「結果論ですが」と前置きしつつも、「逆に先に点を取られたことが良かったかもしれません」と振り返る。「点を取られたら前に出ないといけなくなる。今年のウチはそういうパターンが多いので、前に出るきっかけになったと思う」。

 その言葉どおり、わずか2分後の後半46分に試合を振り出しに戻す。右サイドから細かいパスワークで帝京長岡守備陣を翻ろうすると、FW小延将大(2年)のラストパスを受けたMF郡紘平(3年)が左足シュートで豪快にネットを揺らし、同点に追い付いた。先制を許して、ようやくエンジン全開。この展開に指揮官は「ウチはいつもそんな感じなんです。これではいけないんですけどね、本当は。でも取ってくれるかなと思っていました」と苦笑する。

 その後は両チームともに勝ち越しゴールを狙いながらも、2点目は生まれず。1-1のままPK戦を迎える。「練習をしたときに外さなかった選手を並べた」徳島市立は、最初のキッカーとなったMF吉田顕世(3年)から最後のキッカーとなった郡までの5選手全員がきっちりネットを揺らし、PK戦5-4で2回戦へと駒を進めた。1月2日の2回戦では聖和学園と対戦する。「だいぶ押し込まれると思うし、ボールを持たれるのは仕方がない」と劣勢になると予想しつつも、「守ろうとするのではなく、攻めてほしい。ウチにもチャンスはあると思っています」と選手たちに期待を寄せた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)

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