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[MOM2002]前橋育英FW馬場拓哉(3年)_2発!前育待望のFWがケガ乗り越えて今年も選手権で大暴れ

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後半13分、前橋育英高FW馬場拓哉が右足でゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 前橋育英高3-0明徳義塾高 フクアリ]

 待望されてきた男が復活した。前橋育英高のFW馬場拓哉(3年)が2ゴール。昨年度の全国高校選手権で2ゴールを挙げているストライカーが長期離脱を乗り越えて、ついに結果を残した。

 馬場にとって、この日試合が行われたフクダ電子アリーナは相性の良いスタジアムだった。昨年度の全国2回戦・大津高戦で交代出場から後半アディショナルタイムに決勝ゴールを決め、続く帝京三高との3回戦でも交代出場でゴールを決めている。

「みんなには『このスタジアム、オマエ調子いいから頑張れよ』と言われた」という馬場は、相性のことをあまり気にせず「今までやってきたことを出す」ことに集中。1-0の後半6分に交代出場すると、その7分後の13分にゴールを奪う。GKのロングキックをFW人見大地(3年)が頭でそらし、これに反応した馬場が飛び出したGKの頭上を右足で射抜いて2年連続のゴールを記録した。

 さらに18分には右サイド後方からFW飯島陸(2年)が出したパスに反応。GKが不用意に飛び出しているのを見逃さなかった馬場は切り返しから左足ループシュートを決めた。昨年、スーパーサブとして存在感を示したFWが今大会でも早くも2ゴール。チームの初戦突破に大きく貢献した。

 馬場について山田耕介監督は「やっと間に合ったという感じ」と微笑む。馬場は6月の全国高校総体予選で初戦敗退を喫した後、椎間板ヘルニアの影響で長期離脱。選手権予選前にコンディションは大分回復していたが、体調を崩して予選は登録メンバー入りすることができなかった。エースストライカーとして期待されていたFWが不在だった選手権予選でチームは優勝。それでも「チームが勝っているならばもっと頑張っていかないといけない。どうすればチームのためになれるか考えていました」という馬場は努力を続け、信頼を勝ち取って選手権のピッチに立ち、「後半残された時間で結果を出すのが自分は必要」と結果を残した。

 山田監督が「あんだけデカくて、スピードがある」と評するストライカー。その指揮官が「全国には間に合う」と待望していたFWは離脱中も気にかけてくれていた恩師に結果で応えるつもりでいる。「夏、自分がサッカーやっていない時とかも、進路の面談の時とかに進路のことだけでなくてケガのこととか言ってもらえて。(鼓舞するために)『オマエのポジション無いぞ』と、自分のための言葉をかけてもらった」

 まだベストのコンディションではなく、出場時間は限定されるだろうが、その中で自分のできることをやり尽くす。市立船橋高と戦う2回戦へ向けて馬場は「頑張るしか無い。自分、代表とか入っていない。杉岡くんと原くんはU-19代表とか世代を代表するDFだと思うので、どこまで自分の力が通用するか試して、同時に育英が市船に勝つために自分のできることを全力を尽くしたい」。まずはゴールよりも勝利。恩師のため、この日スタンドから声援を送ってくれた仲間のためにも前橋育英を勝利へと導く。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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