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[MOM2006]米子北FW伊藤龍生(3年)_“甘さ”出てハットならずも大舞台で堂々の2G1A

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 旭川実高0-3米子北高 NACK]

 大きな舞台でもその高い得点力を発揮した。全国高校総体の大会優秀選手に選出された米子北高のFW伊藤龍生(3年)が全得点に絡む2ゴール1アシストでチームを2回戦進出に導いた。

 今季はプリンスリーグ中国で2位の15得点、選手権の県予選では9得点、今月16日に行われた高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦の東京ヴェルディユース戦でも得点を記録するなど、好調のチームを引っ張ってきた。だが、そんな伊藤も選手権の初戦は緊張していたという。それでも、前半4分に一本のパスで裏を取り、PA右から折り返してMF山室昂輝(3年)の先制点を演出した。

「全国大会だったので緊張があった。1点目をアシストできて、その一本のパスで緊張が吹っ切れた。ホッとした」。これで落ち着きを取り戻すと、前半8分に右CKからFW崎山誉斗(3年)が頭でつなぎ、最後に伊藤がヘディングで押し込んだ。さらに前半アディショナルタイム1分には、崎山のパスをPA内で受けて豪快な右足シュートをゴール左に突き刺した。

「普段の練習通りでした。崎山との連携で得点できたのでよかったと思います。(自身2点目は)ファーストタッチした瞬間にゴールを見ていました。1回フェイントしたときにはゴールを見ず、蹴り込みました。今までの(自分の中の)ゴールで上位に入ってくるゴールだと思います。すごくうれしかったです。仲間にもあの3点目が良かったと言われました。取れて良かったと思います」

 後半に入っても得点を狙い続けた。後半15分に山室のパスから前を向けた右足ミドルを放つなど、ハットトリックは狙っていたが、追加点は奪えず“甘さ”が出たという。中村真吾監督も、「ダイレクトで打たないといけない場面をトラップしたり、ちょっと色気づいたプレーが見られた。彼には関しては気持ちのコントロールに波がある」と厳しい言葉を残したが、自身でも「後半も走れて点を取れないと上では通用しない。2点を取って満足というのがちょっとあったかもしれない」と声のトーンを落とした。

 それでもチームに欠かせない選手であることに間違いない。指揮官も「しっかり得点を取ってくれたし、両サイドにしっかり飛び出す動きに関して良かったと思います」と一定の評価を与える。チームとしてはベスト4が目標だが、伊藤としては「僕はフォワードなので、得点王というのは意識してやっていきたい」。その目標を達成するとき、チームは最高の場所に立っているはず。貪欲にゴールを目指し続け、今大会で真のエースストライカーとして進化を遂げてみせる。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 清水祐一)
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