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注目の2年生ボランチ・江口が強烈ミドル魅せるも明徳義塾は初戦敗退、「全国で通用できるように」成長誓う

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明徳義塾高注目の2年生MF江口隆史

[12.31 全国高校選手権1回戦 前橋育英高3-0明徳義塾高 フクアリ]

 全国レベルとの差を痛感した選手権となった。大きな展開を交えた攻撃の組み立てとFW佐々木敦河(3年)、FW竹内優太 (3年)、FW大田陸(3年)の3トップの個を活かした攻撃に破壊力がある明徳義塾高だが、相手のアプローチのスピードの速さの前にセカンドボールを拾うことができず。司令塔役を担う2年生の大型ボランチ、MF江口隆史は「全部負けました。全てにおいて前橋育英が上を行っていました」と完敗だったことを認めた。

 主将のCB舛田凱(3年)が「前半は攻めれる気がしなかった」というほどの内容。12月16日のプレミアリーグ参入戦で札幌U-18(北海道)相手に好勝負を演じていただけに、チームにはやれる手応えがあった。だが、「どこかで行けると思ってそれが裏目に出たかもしれない」(江口)。相手のスピード感の前に思うような攻撃をすることができないまま、前半終了間際に失点してしまう。

 後半3分には右クロスのこぼれを江口がダイレクトでの左足ミドル。鋭い一撃がゴール左隅を捉えたが、前橋育英高GK月田啓のファインセーブに阻まれてしまった。そして13分、18分と失点したチームは反撃が得点に結びつかないまま試合終了。本来、非常に正確な右足キックで左右にボールを振り分ける182cmボランチ江口は「もっとボール受けて、どんどん味方に繋いで、展開とかして自分がゲームをつくって行きたかった。(前橋育英は) やっぱ速かったです。(将来を考えると、)正直2年のこの時期が大事だと思うので、もっと自分のプレーを見せたかったんですけど。まずはチームプレーに徹して、でも、それもできなくて残念です」と唇を噛んだ。

 現在の3年生たちは5人が1年時から全国で先発するなど期待されてきた世代だった。プリンスリーグ四国優勝を果たしたが、初戦敗退に。舛田は「結果だけ見れば(3年間で選手権に)3回行って、インターハイも1回行って、プリンスも優勝して結果だけ見れば悔いはないことはないんですけど、自分的には。最後はもっとみんなとサッカーがしたかった」。

 舛田は後輩たちに「また戻って来い」と伝えたという。対して来年の注目MFとなるであろう江口は「(個人的には)もっと走れるようになって、球際とかも強くなって、筋肉もつけて、全国で通用できるように。ゲーム作れるところだったり、一個一個の質をあげていきたい。来年はしっかり戻ってきて全国優勝したいです」。先輩たちの無念を必ず来年晴らす。明徳義塾の1、2年生たちは、この日の敗戦をそのための糧にする。

(取材・文 吉田太郎)
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