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[MOM2011]鹿児島城西DF生駒仁(2年)_全てカバーして、全て弾いた逸材CB、U-17代表対決制す

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鹿児島城西高のU-17日本代表CB生駒仁が完封勝利に大きく貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 鹿児島城西高0-0(PK4-2)長崎総合科学大附高 等々力]

 注目のU-17代表マッチアップを制した。鹿児島城西高のCB生駒仁(2年)と長崎総合科学大附高のFW安藤瑞季はともにU-17日本代表の注目選手。その2人が80分間に渡って熱く、「清々しい」戦いを繰り広げ、鹿児島城西が3回戦へと駒を進めた。

 前半、安藤をファウルでストップした生駒は「(安藤)瑞季から『もっと来い』というような言葉があって。遠慮なく行こうと思ってやりました」と説明する。世代を代表する注目選手2人が遠慮も、探り合いをするようなこともなく、真っ向からの全力勝負。生駒はポストでボールを受けようとする安藤にボールが入るところをきっちりと潰して、危険人物に思うようなプレーをさせない。

 安藤封じるというタスクをこなすだけでなく、185cmの高さを活かしてロングボールの攻防で圧倒的な強さを発揮。また、サイドをワンツーで割られかけたシーンを素早いカバーリングからスライディングタックルで止めたり、クロスをニアで必ず触り続けるなど長崎総科大附の攻撃を阻み続けた。

「守備面で(味方が)1対1で負けたら危ないシーンもあるんですけど、自分が全部カバーしようと思って、そういう意識を持っていたのでできたと思います」。全部カバーし、全部跳ね返してやろうという気迫が伝わってくるような80分間。後半31分に安藤に切り返しで外されて左足シュートを放たれたほか、クリアが甘くなったシーンもあった。だが、39分にはPAへ潜り込んできた安藤のシュートを見事にブロックするなど、守備的な戦いをしてノルマ通りに無失点で終えた鹿児島城西において、その存在は間違いなく欠かせなかった。

 1年前は兄・生駒稀生(現大阪学院大)とCBコンビを組んで戦ったが、PK戦で兄が外して初戦敗退。「去年、兄がPK外してしまった面があった。兄がいない中で自分が借りを返すというか、勝って勝ち進みたいと思っていた」。今年、兄に代わってDFリーダーとなった生駒は味方への声がけも欠かさず、リーダーとして全国16強進出に貢献した。

 あまり気持ちを表に出すタイプではない。「植田(直通、鹿島)みたいにならんとな」とアドバイスを受けたこともある。その中でカバーする部分、弾く部分、そしてリーダーシップを発揮する部分と、注目DFは今自分がやるべきことを一つずつクリアしてより存在感を放ち、試合を支配するような選手になってきている。2試合連続で完封勝利を果たし、3回戦では前回大会優勝校の東福岡高(福岡)と対戦。逸材DFがこの日に続いて強力攻撃陣を封じ込む。

(取材・文 吉田太郎)
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