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[MOM2028]正智深谷MF鈴木涼太(3年)_出場停止の仲間との約束果たす「有言実行」のゴール

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正智深谷高MF鈴木涼太は貴重な先制点を決めた

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 創造学園高 0-3 正智深谷高 浦和駒場]

 有言実行のゴールだった。正智深谷高は前半19分、相手GKのミスキックを奪ってパスを繋ぐと最後はMF海老塚宝良(2年)からのラストパスに右サイドで反応したMF鈴木涼太(3年)が右足でゴールを射抜く。相手のミスを逃さずに決めた貴重な先制点だった。

 小島時和監督も「鈴木のあの1点が大きかった。(鈴木には)そろそろ取らなきゃなと言っていたんです」と賞賛した1点。右サイドで2トップのサポート役、チャンスメーカー役を務めている鈴木だが、指揮官はその得点力を認めている。他のアタッカー陣が今大会で得点を決めている中、ハッパをかけられていたMFが見事な一撃でチームにリードをもたらした。

 この1点は仲間との約束のゴールでもあった。正智深谷はこの日、2回戦で退場したMF谷口瑛也(2年)が出場停止。「結構へこんでいた」という谷口に鈴木がかけたのは「テル(谷口)、明日決めるから、ベスト8連れていくから」という誓いの言葉だった。

「お願いします」と返した後輩MFとの約束を果たした背番号8は「有言実行しました」と笑顔。指揮官からマン・オブ・ザ・マッチとして認められる一撃で自身も気分良く3回戦を終えた。

 準々決勝で正智深谷はプレミアリーグチャンピオンシップで優勝し、「高校年代真の日本一」に輝いている青森山田高と対戦する。右サイドの技巧派MFは「強い相手と言われているところを倒すこともサッカーの楽しさだと思うので、みんなで一致団結してやりたいと思います」と力を込めた。

 2歳年上の兄・健太さんがプレーしていた西武台高とライバル校の正智深谷に進学した理由は「兄貴から点取ってやろう」という思いから。それを達成することはできなかったが、強敵を倒すこと、ジャイアントキリング達成に意欲を燃やす鈴木が次は青森山田のゴールネットを揺らす。

(取材・文 吉田太郎)
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