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青森山田ゴールこじ開けるも“俺の得点”!? 正智深谷DF田村「『触ったの?』と聞いた」

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青森山田高(青森)ゴールをこじ開けた正智深谷高(埼玉)DF田村恭志(3年)

[1.5 全国高校選手権準々決勝 正智深谷1-3青森山田 等々力]

 相手は公式戦5試合連続無失点、今大会も2試合連続完封勝利を収める鉄壁・青森山田高(青森)。しかし、3点のリードを奪われた正智深谷高(埼玉)は反撃に出ると、後半33分にDF田村恭志(3年)がゴールをこじ開ける。

 FW玉城裕大(3年)のショートコーナーを受けたMF小山開喜(3年)がクロスを供給すると、ファーサイドの田村がヘディングで合わせる。「自分としては、あわよくばゴール。それか誰か触ってくれというシュートだった」。その言葉どおり、ボールには数選手が反応する。まずは叩き付けたボールにDF中村友空(2年)が飛び込んで相手GK廣末陸(3年)の注意を引きつけると、そのまま流れたボールにはDF金子悠野(3年)が滑り込む。ボールはゴールマウスに収まったが、田村自身も自分のゴールだと分からなかったという。

「点が入った後に中村に『触ったの?』と聞いたら、微妙な反応でした(笑)。でも、彼が飛び込んだことでGKも気を取られて入ったゴールだと思うので、中村に感謝しないといけません。場内アナウンスで僕の名前がコールされたみたいだけど、聞いている余裕がありませんでした」

 この1点で勢いに乗ったチームは、青森山田ゴールを狙い続けるが、最後まで同点には追い付くことができずに1-3のまま試合終了のホイッスルが吹かれた。

 応援団に最後のあいさつに向かった際には、「今まで応援してくれた方への感謝の気持ちがあふれてきた」と同時に、「負けちゃったんだな。これで終わりなんだなと実感がわいてきた」。しかし、準々決勝で姿を消すことになったものの、チーム最高成績となる8強入りに「正智の歴史を作れたと思う」と胸を張って答えた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)

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