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[MOM2040]前橋育英MF高沢颯(3年)_執念実った13本目のシュート、大会初ゴールがV弾

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前半30分、先制点を決めたMF高沢颯がチームメイトと喜ぶ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.7 全国高校選手権準決勝 前橋育英高1-0佐野日大高 埼玉]

 失敗を恐れず、シュートを打ち続けた。前橋育英高(群馬)は前半30分、DF角田涼太朗(2年)のロングフィードから左サイドのスペースに飛び出したFW飯島陸(2年)がマイナスに折り返し、MF高沢颯(3年)が右足でシュート。「飯島がいい抜け出しをしてくれて、後ろにスペースができた。そこに走り込んで、落ち着いて流し込めた」。ワンタッチでゴール右隅に流し込み先制点。これが値千金の決勝弾となった。

「ミーティングでも、引いてくる相手に対してサイドでコンビネーションをつくっていこうと話していたし、その形で取ることができた。(角田)涼太朗のロングボール、飯島の抜け出しが良くて、自分は決めるだけだった」

 チームメイトのお膳立てに感謝した高沢は待望の今大会初ゴール。「ずっと取りたかった1点なので、取れてうれしい」。果敢な突破やダイアゴナルの動きで積極的にゴール前に顔を出す左サイドハーフ。5日の準々決勝・滝川二戦(2-0)でもチーム最多のシュート4本を放った背番号9について山田耕介監督は「シュート力、パワーがあるので、『失敗してもいいから積極的に打っていけ』と言っていた」という。

 その言葉どおり、前半9分に右足でミドルシュートを打った高沢は前半17分、26分にも果敢にゴールを狙った。前半30分の先制点がこの日、早くも4本目のシュート。1回戦から通して13本目のシュートがついにゴールネットを揺らし、待ちに待った初ゴールが生まれた。

「シュートを打てていることは自分の中でもプラスに捉えていた。あとは枠に飛ばすだけ。大会に入ってからも練習の合間にシュート練習をやってきたし、監督にも『シュート力があるからどんどん打っていけ』と言われていた」

 自分を信じ、あきらめずにゴールを狙い続けた結果が、チームを2年ぶり2度目の決勝に導く決勝点をもたらした。初優勝の懸かる9日の決勝では、高円宮杯チャンピオンシップを制した青森山田(青森)と対戦する。「日本一の強い相手だけど、育英も一つになれば勝てると思うし、チーム一丸となって優勝したい」。高沢を含めた3年生は2年前の準優勝をスタンドで見ていた。「準決勝が6回目、決勝が2回目。これだけチャンスがあっても優勝できなかった。今度こそ自分たちの代で優勝したい」。あと一歩で日本一を逃してきた先輩たちの思いも胸に埼玉スタジアムのピッチに立つ。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

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