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[KING of 1v1]“最強1対1”高校No.1決定!!8人決戦の全国大会を制したのは関西代表の中村翔也

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地区予選を勝ち上がった8名による“最強1対1”を決める全国大会が高校選手権決勝と同会場で行われた

 1対1の最強の“一人”を決める「KING of 1v1」高校生大会の決勝大会が9日に埼玉スタジアム内のフットサルコートに作られた特設コートで行われ、関西地区代表のディアブロッサ高田U-18に所属する中村翔也(2年=二階堂高)が頂点に輝いた。

「KING of 1v1」は縦15m、横8mの特設コートで行われ、試合時間は1試合2分間。ゴールラインから3mの位置にある仮想ペナルティーラインの手前からゴールを決めれば2点で、それ以外はすべて1点となる。ピッチの周囲は壁に囲われており、壁を利用したプレーも可能。サッカーにおいての重要度が高い1対1の場面で勝負を仕掛ける意識を向上させる狙いがある。

 大会は昨年9月より九州、関西、東北、関東の4会場で予選を実施。各会場2名ずつ、合計8名の決勝大会進出者を争った。全国高校サッカー選手権を協賛しているプーマが主催する大会で、高校選手権決勝と同日、そして同会場で、「KING of 1v1」の決勝も行われた。

 予選リーグは事前抽選で4地域の4名が2組に分けられており、そこで総当たり戦を実施。地域予選と同じルールで勝敗を競った。決勝大会は前日から降り続いた雨によりスリッピーになった人工芝のピッチに各選手が苦戦する姿も見られたが、徐々に日差しが差し始めると、選手たちの表情も引き締まり、熱戦へと変わっていった。

 予選A組では巧みなプレーを見せる中村翔也(2年=二階堂高)が接戦ながら確実に勝利を積み重ね、3戦全勝で1通過を決めた。フィジカルが売りの高田亮太(1年=駒澤大高)も寄せ付けることはなかった。2位では中村と同じテクニシャンタイプの相沢省太(2年=明成高)が入った。九州予選を勝ち抜いた堀川功太郎(2年=純真高)は健闘むなしく、3戦全敗に終わった。

 予選B組では、九州予選でも空手仕込みのフィジカルから爆発的な得点力をみせていた谷光大河(3年=筑陽学園高)が初戦で三田拓希(1年=駒澤大高)から6得点を奪うなど、3戦を通じて圧倒。3戦全勝で予選B組を1位通過した。谷光には敗れたものの、岡田悠利(2年=奈良北高)や永沼伸(3年=仙台二高)に大差で勝利した三田が2位で決勝トーナメントに進んだ。

 決勝トーナメントには各組上位2名が勝ち上がった。A組1位の中村とB組2位の三田による準決勝は、ラストプレーまで三田が2-1とリードしていたが、最後に中村がペナルティーエリア内から2点シュートを決めて逆転に成功。勝負強さを見せて決勝に進出した。もう一つの準決勝では、予選リーグを圧倒した谷光を相沢が完封。4-0で勝利し、2年生対決になった決勝に駒を進めた。

 いよいよ頂点が決まる一発勝負の決勝はお互い慎重な試合運びを見せると、終盤までスコアが動かない緊迫の展開になる。しかし延長戦も見えていた終了10秒前、中村がゴール前で押し込んだシュートが決まり、2-0。中村は予選リーグから5連勝で頂点まで駆け上がった。

 8名全員で隣の会場で行われている選手権決勝を生観戦するなど、貴重な経験を積んだ。5日後にセンター試験を控えているため、高校3年生の2人(谷光、永沼)は受験勉強によるスタミナ不足を感じさせたが、谷光は「いいリフレッシュになった。センター試験に向けて切り替えたい」と前向きに話した。決勝で敗れた相沢も悔しさの中に充実の表情を浮かべる。応援に駆けつけてくれた仲間への感謝を語ると、「今大会を勝ったら来年はもういいかなと思ったけど、悔しいので来年もう一回挑戦したい」とリベンジを誓っていた。

(取材・文 児玉幸洋)

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