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「次は一緒に日本一を…」前育FW高沢、大学で青森山田の2人と“共闘”誓う

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前橋育英MF高沢颯は決定機で決め切れなかった

[1.9 全国高校選手権決勝 青森山田高5-0前橋育英高 埼玉]

 J内定GKの壁は高かった。前橋育英高(群馬)にもチャンスがなかったわけではない。むしろ序盤は主導権を握っていた。前半16分には相手DFとうまく体を入れ替えたMF高沢颯(3年)がゴール前に抜け出す絶好機。GKと1対1になったが、右足のシュートはGK廣末陸(3年=FC東京内定)のビッグセーブに阻まれた。

「廣末選手が出てきたのは分かったので、低いシュートを狙ったけど、向こうのGKが1枚上手だった」。卒業後はFC東京に入団する今大会屈指のGK。その威圧感に押されたのか、シュートは至近距離で廣末の体に当ててしまった。

 先制を許した直後の前半27分、廣末の判断ミスを突いてこぼれ球を拾った高沢がグラウンダーのクロスを入れ、MF大塚諒主将(3年)がフリーで狙ったが、シュートは無人のゴールを大きく外れる。同45分には高沢の右FKがゴール前のDF角田涼太朗(2年)に通ったが、足下に入りすぎてシュートを打ち切れなかった。

 再三のチャンスをものにできず、一方の青森山田は少ない好機を確実に決めていく。シュート数は前橋育英が9本、青森山田は8本。そのうち5本を得点につなげられた一方、前橋育英は最後までゴールネットを揺らすことができなかった。

「後ろ(守備陣)には申し訳なかった」という高沢の言葉は本音だろう。「ワンタッチプレーで崩すことができたし、シュートまでも行けていたけど、最後の質が低かった」。2年ぶり2度目の決勝進出で2度目の準優勝。「あともう少しのところ」が、優勝と準優勝という形で明暗を分けた。

「来年はそういうところも練習して、またここに戻ってきて、今度は一番を取ってほしい」。そう後輩たちにエールを送った高沢は卒業後、新潟医療福祉大に進学する。同じ大学にこの日戦った青森山田からもDF橋本恭輔(3年)とFW佐々木快(3年)が進学予定で、試合後には声もかけられたという。「インカレに出たいし、青森山田の2人も行くので、次こそは一緒に日本一を取りたい」。“昨日の敵は今日の友”。今度はチームメイトとして次の夢へ向かっていく。

(取材・文 西山紘平)

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