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「いずれは10番に」千葉ルーキー高橋壱晟、大寒波到来で“チーム1のある能力”も発覚

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プロの舞台への意気込みを語ったMF高橋壱晟(上段中央)

 ジェフユナイテッド千葉からの期待の大きさは理解している。高校選手権で青森山田高を初優勝に導いたMF高橋壱晟は「嬉しかったですけど、もう一度初心に戻って謙虚にやりたい」と早くも気持ちを切り替え、プロの舞台での活躍を誓った。

 昨年度はベスト4で敗退し、高橋ら青森山田の選手たちにとってはリベンジを期して臨んだ今大会。10番を背負った高橋は5試合連続ゴールの離れ業をやってのけ、悲願の初優勝に貢献した。それからまだ1週間しか経過していないが、余韻に浸る暇もなく、青森山田のエースには次のステージが待ち受ける。「ワクワクしています」と気持ちを高ぶらせる高橋は、「高校サッカーとはまたレベルが変わってくると思うので、もう一度初心に戻って、自分の成長に向けて謙虚にやっていきたいです」と、これから始まるプロ生活への意気込みを語った。

 クラブは高橋が2年生の時から目をかけていたという。すでにその頃からボランチとしての高い能力を評価。所属の青森山田にいる間も黒田剛監督と相談しながら、個別のトレーニングメニューなどを送っていたようだ。高橋も「ここまで期待してくれてすごく感謝していますし、ここが成長できる場所だと思って選んで来たのでしっかり頑張りたいです」と話す。プロ選手として初めて着ける番号は「32」。背番号にこだわりはないという高橋だが、「着けさせてもらえるなら最終的に10番を着けたいです」と、クラブを背負って立つ覚悟ものぞかせた。

 青森県出身の高橋にとっては、初めての関東での生活となる。まだ寮に荷物が届いたばかりで部屋づくりは終わっておらず、千葉の印象を語れるほど街にも繰り出していない。しかし、1つだけ実感したことがあるようだ。

「全然寒くない」

 くしくもこの日は日本に大寒波が到来。北日本ほどではないが、関東もこの冬一番と言っていい冷え込みとなり、フクダ電子アリーナでの新体制発表会見は吐く息が白くなるほどの寒さの中、屋外で行われた。

 会見の前にはチーム内で軽くトレーニングもしていたようだが、「自分だけ短パンでした」と高橋。「多分、青森山田の選手が来たらみんな短パンでやると思います。普通ですよこれくらいだったら」とサラリと言ってのけ、報道陣を驚かせた。寒さへの耐性はすでにチームナンバーワンのようだ。「関東じゃなくて雪のある地域でも良い選手を輩出できるんだというのを証明できるよう頑張りたいです」。選手権優勝後に恩師・黒田監督もその効果を語った雪国パワー。厳しい環境で培った丈夫な体と強いメンタリティーを武器に、プロの世界でも頂点まで駆け上る。

(取材・文 阿部哲也)

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