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MF羽生は不退転の決意で10年ぶり千葉復帰「懐かしさはない」「やらなきゃというのが上」

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強い決意で千葉に復帰したMF羽生直剛(中央)

 退路を断ち、10年ぶりのジェフユナイテッド千葉復帰を決めた。計8シーズンプレーし、居心地の良さも感じていたFC東京を37歳で離れる決断を下したMF羽生直剛。「サッカー人生最後のチャレンジ」として、J2でもがく古巣のために立ち上がった。

 羽生は筑波大から2002年に千葉へ加入すると、03年に同クラブの指揮官に就任したイビチャ・オシム氏との出会いを機にブレイク。ゴール前に飛び出すダイナミックなフリーランニングで相手守備を翻弄し、07年にはオシム氏が率いる日本代表で国際Aマッチデビューも飾った。

「自分がここでプレーしていた時はピークだったと思います」と振り返る羽生。「僕のことを昔から知っている人からしたら、こんなになっちゃったんだと思われるかも知れない」と謙遜しながら、「逆に外で得てきた違うものを表現して、みんなに『羽生さんとやれば何かゲームが落ち着いたり、ボールがよく回ったり、そういう締まったゲームができる』と思ってもらえるように」と、10年ぶりに復帰する千葉でのプレーにイメージを膨らませた。

 本人が語る通り、現在の羽生は優れた戦術眼や気の利いたポジショニングなどでチーム全体を機能させるバランサータイプ。08年に千葉から渡って昨季までプレーしたFC東京や、13年に1シーズン期限付き移籍した甲府ではその特徴を発揮し、指揮官からも厚い信頼を受けてきた。

 チームの潤滑油としての働きは、ピッチの外でも行っていくつもりだ。「この年齢だと全試合に出たりとかは、他のチームを見てもあまりないことだと思いますし、試合に出ても出なくてもクラブに対する忠誠心や犠牲心だったり、そういう振る舞いをとにかく大事にして、自分がジェフに何をしに戻ってきたのかを常に表現しながら一日一日を過ごしていきたいです」。

 羽生は今回の移籍を「自分としてもサッカー人生の中で最後のチャレンジ」と位置付ける。「1年終わったあとに、しっかりと恩返しができたと実感できるような結果を得られたらいいなと思います。(千葉復帰について)僕の中では懐かしさとか…、ここに帰ってくるだけが目的じゃなかったので、これから挑まなきゃいけないなという気持ちの方が大きいです」。37歳のベテランMFは強い覚悟を秘め、プロ16年目のシーズンに臨む。

(取材・文 阿部哲也)

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