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コンセプトは「cut、strike、score」。ハイパーヴェノム3発表会に新旧ワールドクラスのストライカーたちも集結!

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 “ゴールスコアラーのための新スパイク”だ。NIKEは16日、ドイツ・ミュンヘンで「ハイパーヴェノム(HYPERVENOM)3」を発表した。同地で開催された新作発表イベントには昨季のブンデスリーガ得点王FWロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)、同セリエA得点王のFWゴンサロ・イグアイン(ユベントス)、同プレミアリーグ得点王・FWハリー・ケイン(トッテナム)、今季リーグ1で得点ランキング首位を走るFWエディンソン・カバーニ(パリSG)、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)の新星FWマーカス・ラッシュフォード、そしてW杯歴代最多得点記録(16得点)保持者で昨年現役引退を表明した元ドイツ代表FWミロスラフ・クローゼという新旧ワールドクラスのストライカー達が集結。彼らに加えてFW大久保嘉人(FC東京)、FW柿谷曜一朗(C大阪)、FW浅野拓磨(シュツットガルト)、そしてFW小川航基(磐田)という各世代を代表する日本人ストライカーたちも着用予定というハイパーヴェノム3のゴールを奪う性能、デザインがここで明らかになった。

 この新スパイクのコンセプトは「cut(カット)、strike(ストライク)、そしてscore(スコア)」。開発を担当したナイキフットボールフットウェアのネイサン・ヴァーンフックシニアデザインディレクター(SDD)は「トップに立って、チームに頼られるゴールメーカーのために作っています。デザインを見ても闇を突き抜けるようなブーツですね」と説明する。鋭い横の動きで狭い局面でもスペースを作り出す「カット」、力強くシュートを打ち込む「ストライク」で違いを作り、より多くの「スコア」を生み出すためのスパイクを作り上げた。

 その機能についてヴァーンフックSDDは「前のバージョンから全てを変えています」と言い切った。中でも大きな変更点が2つある。1点目はこれまでのフライニット(ポリエステル糸を使用)と人工皮革を合わせたアッパーから、全てをフライニットへ素材変更。片足の重量は196g、先行品と比べて片足17gの軽量化を実現している。

 加えて、網目のレベルを変更してデザインできるというフライニットの特性が活かされているのが、ストライクゾーンと呼ばれる足の前方から内側の部位。何層も重ねられたポロン(R)ファーム素材の厚さ2mmの小片がフライニットに組み込まれているが、この小片は速度によって固さが変わる特性を持ち、ゆっくりとした速度でボールが当たった際はボールのスピードを抑えてソフトタッチとなる一方、速いボールを蹴る時は固くなり、力強いキックを可能にするのだという。

 大きな変更点のもう1点は屈曲性の向上だ。この点については発表会前に行われたメディア向けの試履会でも話題になっていたが、6年間掛けて制作されたという溝のような形のハイパーリアクティブプレートが前足部裏側に組み込まれたことによって、前足部の接地感が高まり、横の動きで一歩目が素早く動くことができるようになっている。これが横の動き「カット」をより鋭くさせ、ハイパーヴェノム3の特長を増やしている。

 ハイパーヴェノム3については選手たちの評価、期待値も上々。ケインは「フライニットもついていますし、凄く快適なシューズになりました。足にしっかりとグリップしてくれるし、軽くなったし、トラクションも良くなったし、(これを着用して)簡単にDFを越えてスコアができればいい」と語り、ラッシュフォードは「早くハイパーヴェノムを使いこなしたい。これから履いて、試合に出ることを楽しみにしています。このブーツがどのような機能をしてくれるか楽しみにしています」と期待した。

 その他、シューズ内部のグリップ性を高めるために中敷にナイキグリップ機能を採用し、新しい有限要素解析データを活用したスタッドの配置によってトラクションも高められている。ヴァーンフックSDDはこのスパイクを着用する日本人プレーヤーたちへ向けて「日本の『こだわる』というカルチャーも参考にして、一つ一つのディテールに『こだわって』作成しました。色々と努力して、快適で、柔らかいシューズ、足と一緒に反応してくれるブーツができたと思います。(このブーツを着用して)楽しんでプレーして欲しいと思います」とメッセージ。日本、世界のストライカーたちも着用する「点取り屋のための究極のスパイク」、ハイパーヴェノム3のエレクトリックグリーン・ハイパーオレンジのカラーはnike football appとnike.comで1月31日から先行販売、一部専門店で2月3日からの販売となる。

(取材・文 吉田太郎、取材協力 NIKE)

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