beacon

ジェイミー・キャラガーが解説するコンテ・チェルシー攻略法とは?

このエントリーをはてなブックマークに追加

チェルシーの3-4-3システムの攻略法を提案したジェイミー・キャラガー

 チェルシーの勢いが止まらない。プレミアリーグ第20節でトッテナムに敗れて14連勝のリーグ記録更新こそ逃したものの、第21節のレスター・シティ戦もエース、ジエゴ・コスタを欠く中で3-0と難なく白星を手にした。マンチェスター・ユナイテッドと引き分けた2位リバプールに7ポイント差をつける結果となっている。

 毎節、チェルシーの対戦相手はアントニオ・コンテ監督が敷く3-4-3のシステムに対抗するために様々な策を講じているが、昨年9月以降でチェルシーに勝利したのはトッテナムだけだ。

 レスターもこれまでの対戦相手の例に漏れず、ディフェンスラインを通常の4枚から3枚に変更してゲームに挑んでいる。しかし後半途中までに2失点を喫してしまった。その後、4バックに戻したものの、さらに失点を重ねた。

 果たして、コンテ監督率いるチェルシーに対して有効な策はなにかあるのだろうか?

 リバプールのレジェンドで、現在は『スカイスポーツ』で解説者を務めるジェイミー・キャラガー氏は、フォーメーションにかかわらず、弱点となるスペースを突くことが鍵になると考えているようだ。

「各チームはフォーメーションを変えてチェルシーに挑んでいる。エバートンもレスターもいつもとは形で戦ったが、いずれも敗れた。トッテナムが、チェルシーと同じ形に変更して勝利を収めた唯一のチームだが、選手1人1人を見ればトッテナムがエバートンやレスターの上であることは明らかだ」

「どうしてスパーズは勝てたのか、その理由を考えるときに各チームの監督が注目するべきは『どこにスペースができて、どこが弱点なのか』ということだ」

「チェルシーのシステムと対戦するとき、スペースができる場所はウィングバックの周囲にある。ウィングバックの前か、後ろだ。ウィングバックの選手が高い位置をとれば、背後のスペースが空き、そのライン際のスペースにロングボールを蹴り込めばチャンスになるし、パスが通らなくてもセカンドボールを拾える可能性が高い。ウィングバックが背後をカバーしようと下がれば、2枚になった中盤の両サイドにスペースが空くからだ」

「チェルシーにとって、ウィングバックが下げられたときの中盤の両サイドのスペースは問題になる。対戦するときはそこを突くしかない。簡単ではないが、対戦する際はどのチームもその狙いを確認するべきだ」

 実際、トッテナムがチェルシーから奪った2得点はいずれも右サイドの浅めの位置からクリスティアン・エリクセンが上げたクロスをデレ・アリがヘディングで叩き込んだものだった。チェルシーの左ウィングバックを務めるマルコス・アロンソが下がった際にできる「ポケット」でうまくボールを受け、比較的自由な状態で正確なクロスを送り込むことに成功した。

 チェルシーの弱点は明らかになったが、次にチェルシーの対戦相手にとって問題になるのは、エリクセンのような高い精度のクロスボールを供給できる選手をそのポジションに配置することだ。キャラガ―氏も「スペースに入り込めても、精度の高いクロスとフィニッシュワークがなければ得点は奪えない」と指摘している。

 キャラガ―氏が「簡単ではない」と話すように、そのスペースまでボールを運ぶことができても、前にはディフェンスラインと両ウィングバックの5人の選手が待ち構えていて、その先に進むのは至難の業だ。トッテナムのように、本職がサイドバックで逆サイドのモーゼスに比べると低い位置を取りやすいマルコス・アロンソの前のスペースから、3バックの中では最も上背のない右ストッパーのセサル・アスピリクエタの周辺を狙ってクロスボールを上げることが最も得点の確率が高い選択肢かもしれない。

 これからチェルシーとの対戦を控え、ボールを持つ時間帯を比較的長く作れそうなリバプールやアーセナルがどういう戦い方を選択するのか、今回のキャラガ―氏の解説を参考にすればよりゲームを楽しめるかもしれない。


●プレミアリーグ2016-17特集
世界のサッカー情報はgoal.com

TOP