beacon

廣末の後継者候補、青森山田GK坪歩夢がプロ予備軍相手に堂々のプレーで無失点!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[1.18 練習試合 青森山田高0-0ナイキアカデミー セント・ジョージズ・パーク]

 逸材GKの後継者候補が、“プロ予備軍”を完封した。青森山田高は選手権メンバーの3年生たちで今回のイングランド遠征を実施。ただし、GKのポジションについてはGK廣末陸がFC東京に合流しているため、GK坪歩夢(2年)とGK飯田雅浩(1年)という2人の下級生が参加している。この日は坪が先発し、後半30分過ぎから飯田がゴールを守ったが、2人が互いにビッグセーブを見せて無失点に貢献して見せた。

 坪については青森山田のコーチ陣、そして対戦相手のナイキアカデミー・ジョン・グッドマンヘッドコーチも「良かった」と評するプレー。新チームの守護神候補は当初新人戦に備えるため、今回の海外遠征には参加しない予定だったが、1年生GKのひとりが負傷したために急遽イングランドへ向かうことになった。この日の対戦相手は欧州プロ選手たちを数多く輩出しているナイキアカデミー。だが、「3年生最後なんで勝利で終わりたかったし、自分の力が世界でどのくらい通用するのかも図りたい」という意欲で臨んだ2年生GKが危なげない守りに加えて、ビッグセーブも披露する。

 前半から終始落ち着いたプレーが印象的だった。「(GKコーチの)大久保さんにも『堂々とプレーしろ』と言われたので、そこは意識してやりました」という坪はクロスに相手の大型選手が飛び込んできても、全く怯むことなくキャッチ。またDF背後へのボールにも難なく対応し、後方からのパス回しでも堂々とボールを動かして、相手のプレスの脅威を感じさせなかった。キックミスで先輩たちから“お叱り”を受けるシーンもゼロではなかったが、それでも無失点、攻撃のリズムをつくるという両面において貢献度高かったGKは交代直前の後半31分に抜け出してきた相手FWとの1対1をストップ。その他、枠を捉えたシュートの対応含めて存在感を示した。

 青森山田のゴールを守った前任者は偉大なGK廣末。ビッグセーブで相手の決定機を止め、飛距離と精度を兼ね備えたキックでチャンスを生み出すなどインパクトあるプレーを見せて全国制覇の立て役者となった。現時点で坪が廣末と同じプレーをすることはできない。それでも「次は自分の番なんで確実性を求めてやっていきたいと思っています」と一つひとつのプレーの精度で青森山田のゴールを守り抜く意志を示した。

 大久保隆一郎GKコーチも廣末に「敵わない」と引け目に感じるのではなく、自信を持ってプレーすることを期待。その意味でナイキアカデミー戦の好プレーは、「マジでプレッシャーです」という青森山田の守護神の座、全国2冠王者として臨む来シーズンへ向けていい自信となるはずだ。「きょうの試合でやったことを活かせばやれる。問題ないと思います」と坪。飯田たちとのポジション争いを経てさらにレベルアップし、廣末のようにチームを勝たせるGKになる。

(取材・文 吉田太郎)

TOP