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いわきFC内定の中央大MF飯干、中高時代の思い出の地で新たな一歩

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いわきFCへの内定が決まったMF飯干雄斗(4年=JFAアカデミー福島U18)

 福島県社会人リーグ1部所属のいわきFC内定・中央大MF飯干雄斗(4年=JFAアカデミー福島U18)は、中学高校時代にJFAアカデミー福島に所属。福島県の浜通りで過ごしていたが、高校1年時に東日本大震災が発生。避難生活を余儀なくされた。「もう一度福島でサッカーがしたい」という思いを胸にボールを追い続けると、あれから約6年。思い出の地・いわきで「とても嬉しい」新たなサッカー人生が幕を開けることになった。

 いわきFCとの縁は他にもある。今季から監督に就任する田村雄三監督との出会いも、その一つ。昨年までいわきFCの強化・スカウト本部の部長だった田村氏は中央大OB。母校の後輩である飯干に目をかけ、何度も練習に来ては声を掛けていたという。

 ただ褒めちぎるだけでなく「ボールを扱う基礎の部分はしっかり持っているから、あとはそれを90分間ずっと使い続けられるという点でまだ伸びしろがある。そこを意識してやっていけ」と良い部分、足りない部分を具体的に教えてくれていた。

 また、いわきFCのビジョンでもある“日本のフィジカルスタンダードを変える”という点にも、飯干は強く興味を持った。昨年末に完成した人工芝グラウンドの“いわきFCフィールド”や併設されるクラブハウスなど、自分を磨ける環境にも魅力を感じたという。「僕自身の弱点がフィジカルにあると思うので、いわきFCの環境に身を置くことで成長できると思いました」と選んだポイントを語った。

 大学生活については「悩んだ4年間だった」と振り返る。飯干が3年生のときに中央大は2部降格、4年時は1部昇格を逃した。チームを1部復帰させられなかったことに強い悔しさを抱いているMFは「勝てない時期が多かったので。何を変えればうまくいくんだろうと本当に色々考えた4年間でした」と言い、「色々試して、駄目だったらまた違う方向を探していく。何回もチャレンジしていくことで、いつか見つかるものなんだと思います」と口にした。

 大学での悔しさは、今後への原動力になる。飯干は「僕自身が中大であまり結果を残せていなくて。だからいわきFCではチームを勝たせられる選手になれれば」と誓い、短期的な目標として「まず翁長、古橋と同じJの舞台に早く上がっていくこと。そのために1年後の目標としてJFLに上がって、その舞台でプレーをすることです」と語った。自らの原点に戦いの地を移し、飯干のさらなる挑戦は続いていく。

(取材・文 石川祐介)
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