beacon

W杯優勝の元イタリア代表主将カンナバーロがアジアで監督を続けるワケを告白

このエントリーをはてなブックマークに追加

中国スーパーリーグで天津権健を率いる元イタリア代表のファビオ・カンナバーロ

 中国スーパーリーグで天津権健を率いる元イタリア代表のファビオ・カンナバーロがイタリアメディア『メディアセット』のTV番組に出演し、ヨーロッパやイタリアで監督をしないワケを明かした。

 現在43歳となり、サッカーの中心であるヨーロッパから遠く離れたアジアの地で監督を務めるカンナバーロだが、現役時代は輝かしい成績を誇った。U-21イタリア代表では1994年のヨーロッパ選手権フランス大会、そして1996年のスペイン大会と2度制覇した。2006年のドイツW杯では主将としてイタリア代表をけん引し、優勝トロフィーを掲げた。同年のバロンドールを受賞している。

 一方クラブチームとしては、地元ナポリの下部組織で育った。その後、パルマ、インテル、ユベントスへと着実にステップアップを続け、2006年にはついに、銀河系軍団と謳われたレアル・マドリーへ加入し、階段を登りつめた。

 そんなカンナバーロは監督業でも着実な道を選んだ。現役引退となる2011年7月までプレーしていたUAEのアル・アハリで、2013-14シーズンにアシスタント・コーチを務めるチャンスが訪れた。その後は広州恒大、アル・ナスルの監督を経て、今季から天津の指揮官となった。

 カンナバーロはヨーロッパから遠く離れた地で監督として下積みを続ける理由を明かしている。

「(イタリアへ)戻って、わずか数試合でキャリアを潰してしまうようなミスは犯したくないんだ。実力がつくまで、経験を積んでいる。ヨーロッパで監督をできるようになるには、あともう少しだろう」

 また年下の42歳ビンチェンツォ・モンテッラ監督が指揮を執るミランについてもコメントを残した。

「イタリア人選手や若手選手を評価しているのは好きだ。これから成長が期待できるチームで、昔のように強くなれるだろう。まだ時間はかかるが、正しい道を進んでいる」

 イタリアでは、若手監督がチャンスを与えられる機会はあるものの、チームに戦術を浸透させ、結果を出し始めるまで時間が十分に与えられることは少なく、監督としてのキャリアを棒に振る例は多い。そんな中、若手主体のチーム作りに成功し、奮闘を続ける同年代のモンテッラへ、カンナバーロはエールを送った。


●セリエA2016-17特集
世界のサッカー情報はgoal.com

TOP