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[新人戦]「九州で満足しない」「全国1位を目指して」長崎総科大附が東福岡撃破!!

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後半22分、長崎総合科学大附高のFW西原先毅が決勝ゴール

[2.12 九州新人大会準決勝 長崎総合科学大附高 1-0 東福岡高 佐賀県総合運動場陸上競技場]
 
 平成28年度 第38回九州高等学校(U-17)サッカー大会は12日午後、準決勝を行い、長崎総合科学大附(長崎1)が前回王者の東福岡高(福岡1)に1-0で勝利。長崎総科大附は13日に新人戦九州大会初優勝を懸けて決勝で神村学園高(鹿児島1)と戦う。

 昨年の九州新人戦は準決勝(東福岡が6-1で勝利)、夏の総体九州大会では決勝(長崎総科大附が2-0で勝利)で戦っている強豪対決。意地と意地とがぶつかりあった一戦は球際で踏み出す一歩が深い“ガチガチ”のバトルになった。

 長崎総科大附はDF嶋中春児(2年)が相手エースのMF福田湧矢(2年)を徹底マークするなど、東福岡の2シャドーと1トップにマンツーマンマーク。その中で東福岡は福田やMF青木真生都(2年)の大きな展開など幅を使った攻撃からクロス、シュートへ持ち込んでいく。

 一方、長崎総科大附も縦への素早い攻撃からチャンス。20分には“危険な”存在となっていたFW荒木駿太(2年)がドリブルシュートを放ち、30分にはFW中村聖鷹(2年)のドリブルシュートのこぼれ球に嶋中が反応する。だが、至近距離からの連続シュートは東福岡GK緒方翔平(2年)がいずれもストップして得点を許さない

 東福岡は局面でのパス交換からサイドチェンジをピタリと通すなど技術の高さを示し、マンマークによってできたギャップを突く攻撃も見せていた。だが長崎総科大附はDF田中純平主将(2年)が「相手が自分たちよりも技術もスピードもあってそれは最初から分かっていたので、自分たちはとにかく走って、身体ぶつけるところ、競り合いのところで負けていたら話にならないとみんなで話していたので、それが結果に繋がったと思います」と説明したように、長崎総科大附はハードワークを欠かさずに走り続けて、相手に自由を与えない。

 そして後半22分にスコアが動く。長崎総科大附はFK後の混戦からFW西原先毅(2年)が右足で先制ゴール。小嶺忠敏監督が「(以前に比べてこぼれ球に)反応できるようになった」というFWが待望の1点をもたらした。東福岡は25分、MF木橋朋輝(2年)の左クロスに青木が飛び込んだがゴールマウスを直撃。その後も中央で鋭いターンを見せる福田がDFを振り切り、両ワイドからPAへパスを通すが、決定打を放つことができない。

 39分に青木が放ったミドルシュートは長崎総科大附GK湊大昂(2年)がセーブ。最後まで気迫の攻防で戦い抜いた長崎総科大附が1-0で勝利した。小嶺監督は「マグレですよ」と笑ったが、「可能性がある」と評していた選手たちが期待に応えてプレミアリーグ勢の強豪撃破。決勝進出を果たした。

 名将の厳しい言葉によって選手たちは意識を高めている。長崎総科大附は準々決勝の熊本国府高戦で後半アディショナルタイムに追いついてPK戦で勝利。その瞬間、選手たちは殊勲のGK湊に駆け寄って大喜びしていたが、試合後に小嶺監督から「この内容で満足していいのか」と指摘された。昨年はプリンスリーグ九州を無敗V。そして総体九州大会でも優勝したが、全国大会はいずれも相手の守りをこじ開けることができずに2回戦で敗れている。もちろん挑戦者としての姿勢を忘れてはいけないが、より高い目標を持って全国へ打って出ていかなければならない。

 田中は「九州で満足したらいけないチームになってきていると思う。全国1位を目指してやっていかないといけないので、練習だったり意識を変えて、もっと意識高くやっていきたいです」。普段の練習、寮生活から取り組みを変えてより上のレベルのチームへ。U-18日本代表のエースFW安藤瑞季(2年)不在ながらも決勝進出を果たしたまずは九州大会を制して、本格シーズン開幕へ弾みをつける。

(取材・文 吉田太郎)

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